題名:かなり積極的な人
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.1593の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
饒舌になっていた僕を見て、晴美さんはどんどんと質問をしてくる。
「そいで、どこに泊まったの?」
「湯元 湯の川ってとこ。温泉、日本三美人の湯。琉花もめちゃめちゃ喜んでた」
「いいな~。わたしも行きたいなー。カツオくん、わたしもつれってってくれる?」
「いいけど…。琉花にも聞いてみないと…」
「カツオくんってよく見ると、けっこう男前だよね。左右の目の色も微妙に違うんだね」
そう言って、僕の顔に、顔を近づけてくる晴美さんは、かなり積極的な人だった。もしかして、晴美さんも飲み物の成分の成果にあやかっているのかもしれない。
「そうなんだ。母の遠縁に外国の人がいるみたいで、その影響かもしれない。小さい頃はバカにされたこともあったけど…」
「ふ~ん。で、琉花とはどこまで行ったの?」
「出雲大社まで…」
「そうじゃなくて、泊まって、ほら…」
「うん、まあね」
「へー、いいなー琉花。でも、カツオくんってもてるでしょ、かなり遊び人じゃない?」
「まぁ…ね。昔は」
「いまも、琉花以外にも…、なの?」
「いや、いまは琉花一筋。琉花みたいな学のある女性と付き合ったことないから、学のない僕は、時々、いまもとまどうけど。ほら、見て、旅行の朝の食事の時(図)。琉花、かわいいよな~」
「ふーん。そうなんだ。なんかやけるなー」
図 琉花1)
そうして、晴美さんと話しているうちに、だんだんと思ったよりも酩酊してきている自分に気づいた。ピッチが速すぎたせいもあるかもしれない。頭も若干、ふらふらしてきた。その時、晴美さんは、「わたしに寄りかかってもいいよ」とつぶやいた。
その言葉に甘えて寄りかかると、晴美さんからふわりといい香りがした。
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