No.1531

題名:夢の断片
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1530の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 「バーバ(bàba)…?(No.1530)。タンちゃんのおばーちゃんの?」

「ごめんごめん。爸爸(bàba)って中国語で父さんのこと。一応、私のお父さんは、国内外に300店舗のレストランのオーナー兼シェフなの。もともとはシェフだったけど、なんだか店舗が増えて、いつの間にか300店にまでなったから、今はオーナー職で忙しいみたい。そこで、食材の輸入や輸出に関しては、私が手伝っていたのよ」(なるほど、だから、タンちゃんのうちは侍女をかかえる御屋敷(No.1526)なんだなー)

「聞いたことある、○○っていう会社なんだけど。ガエールくん、知っている?」

 リヴァプールのチャイナタウンでも、確か○○があったかもしれない。なんとなく思い出した。

おやっさん:「そろそろ開店するべ」

僕、タンちゃん:「はい」

 のれんを出すと、すでに表には行列が出来ていた。たぶん、仕込む量を限定し、その日のラーメンの数量も限定したことで、逆に客も増えた感じであった。「きゃー、ガエールくーん」との手を振る女子のほかにも、ちらほらと男子も多く見かけ、年齢も様々になってきた。本格的に老若男女問わず、猫ラーメンの美味しさがここから様々に伝わっているのだろう。その口コミは、SNSだけではなさそうだ。そう、予測できた。
 厨房でのおやっさんと僕とタンちゃんのコンビネーションもよく、そうこうするうちに、あっという間にその日の仕込み量を終了し、閉店することとなった。開店が11時で、今は3時40分だから、ざっと4時40分ぐらいで、すべてのラーメンの数量が売り切れたことになる。ただし、店を閉める前にも客が少し並んでいることも少なくなく、それらの客には「すみません。今日のラーメンの数量は売り切れとなりました」ということを伝えなければならない。それが少し苦だった。おやっさんにもその旨を伝えると、「しゃーないな。しゃーないけんど、しゃーないな」と悲しそうな目をする。その目を見るたびに、僕は妙な夢を見ることが多くなった。その日の夜が、別段に赤い月でなくても(No.1528)。朝起きた時、ぼんやりとその夢の断片が蘇った(図)。

図 夢の断片1)

1) https://www.pinterest.jp/pin/737745982693790344/ (閲覧2019.12.27)

 
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