No.1522

題名:嫁さんへの愛
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1521の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 SNS、いや、インスタグラムの影響であろうか。ここしばらく、猫ラーメンにはひっきりなしに女子のお客さんが増えていた。ここまでお客が多くなる前の、常連客も時折見かけるも、ここ最近の女子の客の多さに、常連の客も足が遠のいていたような気もする。なんで、こんなに女子が増えたのであろうか。店に入った途端、ラーメンを食べるよりも、スマホで写真を撮る人があまりにも多すぎた。
 うちは、あくまでも、ラーメン一筋。サイドメニューもほとんどない。いや、ほとんどというよりも、まったくない。そうして、僕の本音で問えば、おやっさんのラーメンの味が分からないような客には、この猫ラーメンには来てほしくない。そう思ってもいた。でも、おやっさんは、客層の変化にも関わらず、ラーメン作りにはブレがなかった。もしかして、おやっさんの嫁に対する愛が、そのブレのなさの原因なのかもしれない。おやっさんにとっては、ラーメン作りは、嫁さんへの愛なのかしれない。そう、思えた日々が続いた。

「今日の売り上げは、すごかったですね」

おやっさん:「まあね」

「あんまりうれしくはないのですか?」

おやっさん:「う~ん。まあね」

 おやっさんとしても、売り上げよりも、なんとなく別の目的が明らかに感じられた。

「ガエールくん。やっぱ、一番大好きな人におっちゃんのラーメンを食べてもらえるのが、うれしいかもしれへん。それは、やっぱ嫁。嫁に逢いたいなー(図)。どこにおるやろんか。永遠に帰ってこうへんのやろか…」

「こんだけブレのないラーメン作りなら、きっと、この店にいずれは戻ってきてくれると思いますよ」

図 佐久間由衣1)

「そうかの~。そうやったらうれしなー」

 そんな会話の中、スープやその他もろもろが早くもなくなり、店を仕舞おうとしたその時であった。

1) https://mdpr.jp/news/detail/1708432 (閲覧2019.12.21)

 
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