No.1513

題名:レンゲの中に踊るスープの恋(レン)気
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1512の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 「おっ、いらっしゃい」

 のれんをくぐると(No.1512)、気前のよさそうなラーメン屋のおやっさんが快く迎えてくれた。店内の雰囲気もわるくはない。そこで、とりあえずラーメンを頼んだ。

「ラーメン一杯、お願いします」

「あいよ」

 カウンターに座り、おやっさんの手つきを眺めると、かなりのラーメン職人であることが分かった。作っている最中の気合も十分に感じられた。手際も湯切りも完璧、まさに理想としていたおやっさん。修行をするならここだ、という直観は間違っていなかった。後は、味。肝心のラーメンの味である。

「はいよっ、ラーメン一丁」

 ラーメン自体は、オーソドックスであった。しかしながら、丼の中のスープの色、具の配置、麺の収まり方、すべてが熟練したものを感じた。スープの香りから、このスープは魚介ベースのしょうゆ。まさに、僕好み。そうして、十分にその存在感を鑑賞した後、レンゲでスープを一口味わった。

(うまい。めちゃうまい。これぞまさにレンゲの中に踊るスープの恋(レン)気やー。でも、恋(レン)と呼ばずに、ここを恋(こい)と呼ぶと、コイケやー。やっぱラーメン大好き小池さん(図)やー) その後に、箸を取り、麺をすすった。(完璧なゆで加減。これぞ、すばらしーtechnique(tekˈniːk))

図 ラーメン大好き小池さん1)

「あんちゃん、外人さんみたいやけんど、えらいうまそーに食べるなー。おたく、ラーメン好きか?」

「はい、めちゃんこ好きです。とっても、うまいです」

「そうかそうか(にっこり)。で、あんちゃんはどこの国から来たんだい?」

「イギリスです。イギリスのリヴァプールです」

1) https://middle-edge.jp/articles/5cC6z (閲覧2019.12.19)

 
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