No.1216

題名:記憶の形 -The Shape of Memories-
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1215の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 記憶の形は、シナプスの結合に相当するのであろうか。それとも、まったく違う形なのであろうか。世の中の色彩は、赤、青、黄など様々あれども、シナプスはOnとOffでのスイッチと同じく、黒か白かの世界である。黒か白かの違いはあれども、そこにはスイッチングとして何かが残る。しかしながら、そのようなスイッチングでもっても、電気がつく、つかないとの判断のみで、どうしてなのか頭の中では色彩が生まれる。
 近年のスイッチは、夜に紛れないように、LEDでもってその場所を緑で示しているが、スイッチングOnに伴い、赤のLEDに切り替わる。これは、分かりにくい。それを反映してか、電気がついていない、スイッチングOffの時だけ、緑のLEDとなり、電気をつけると消灯するタイプもある。でも、こう思うのだ。そこまでして親切にしなくとも、機械式でもって、下側でOff、上側でOnとなる方がやっぱり分かりやすいじゃないか、と。ただし、今の世の中はそうはいかない。部屋に入ると自動的に電気がつくように、あるいは、トイレの前に立つと、自動的に蓋が開くように、便利すぎる与えられた便利さは、記憶の形をより単純化させ、できることも、できないように誘導される。その誘導は、正しいのかは、今現在では、なんとも答えが出ない。しかしながら、ワープロを使う頻度が上がるにつれ、あれもこれもと漢字を忘れてしまうのは、なんとももどかしい。それと、同じように、記憶の形の深化(進化)も、きっと不可逆性を秘めている。その秘められた記憶の形(The Shape of Memories)は、繰り返す旋律でもって、同じように感じても、よく聴くと微妙に異なる旋律でもある。記憶の形の不可逆性は、それと同じ理屈なのかもしれない。わずかに、ごくわずかでも、頭の中で分からないくらいに、微妙な変化をもたらす。ただし、元には戻らない。
 やがて、記憶の形をたどるように、スイッチングがOnとなり、再び目覚める。もう一度、あなたを探すように(No.1215)、頭の中でパルスが描かれる。そのパルスは、極めて短い時間だけ流れる電流や電波であり、振動現象であり、代表的なパルス波形には、矩形波 (方形波)、三角波、半正弦波、ガウス波などがある1), 2)。が、その波形のどれもが、フーリエ変換での誤作動を起こし、うまく組み合わされずに、頭の中の波形変換後のデコードは、いつもいびつで、描かれるあなたの色彩を失わせ、あの時の、あの瞬間での、大切な会話ですらも、消し去られている(図)。僕はその時、いつもあなたを想うのだ。忘れたくないあなたへの想いを悔やみつつ、

 失ってはいけない大切な時間は、後になってようやく気づく

ということに。そうして、大切な時間の記憶の形ですらもいびつに変化している。

図 大切な時間3)

1) https://www.google.com/search?q=parusu&oq=parusu (閲覧2019.5.17)
2) https://kotobank.jp/word/パルス-117209 (閲覧2019.5.17)
3) https://www.pinterest.jp/pin/737745982689132493/ (閲覧2019.5.17)

 
pdfをダウンロードする



...その他の研究報告書もどうぞ