No.1078

題名:素敵な空飛ぶ車への創造的なデザインヒント
報告者:ログ

 近年のドローンの技術は、どんどんと発展している。しかしながら、報告書のNo.198でも示したように、その技術と空飛ぶ自動車との間には乖離があり、現在の自動車の様相で空飛ぶ自動車として実用化に至るまでにはまだ時間を要する。さらに、そこには、自動車としてのイメージがそのまま残っているのも、創造への足枷ともなっているのかもしれない。一方で、道路状況は縦横無尽に繋がろうとも、そこで示された経路から外れて自動車を運転することはできない。アメリカの自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)のSUVブランドの代表でもあるハマー1)、あるいは、ドイツに本拠地があるダイムラーがメルセデス・ベンツブランドで製造・販売される多目的作業用自動車ウニモグのような2)、あらゆるオフロードを走れる車でも、そこには限界がある。地面に沿うことなしには走れないからである。そこで登場するのが、空飛ぶ自動車である。空なら道路などない。まさに道なき空中ゆえに、建物にぶつからない様に進めばよいだけである。さらには、道なき空中の方がAI(人工知能)による状況判断も、道路よりもスムーズになるかもしれない。
 しかしながら、自動車という名称からどうしても現在の自動車の形から外れることができない。先にも示したように、それは創造への足枷ともなる。そこで、自動車を単なる車として考える。すると、今の自動車の形から少し創造性を膨らませることもできるかもしれない。飛行機ほどの上空ではなくとも、やがて来る空飛ぶ車の時代では、ビルの10階建ての高さ約30 m3)からせいぜいで200mほどの空中を飛ぶ車であれば、空飛ぶ車としての実用性が高い。そこには、今からのドローンの開発が空飛ぶ車への技術にも役立ち、そして、その時代が来ると、今の駐車場は、ヘリコプターの場外離着陸場と同じような役割をもつかもしれない。そのために、空飛ぶ車はドローンの特性を生かすべく、自動車型ではなく、美しく変わったものである方が、今の自動車のイメージに縛られずにすむ。そのヒントは、フランスの発明家であるJean Pierre Ponthieu氏の言葉にもあるように、「すべてが卑劣で醜いこの世界では、私たちは美しく変わったものを創造する方法を知っていなければなりません。」となる4)。そのJean Pierre Ponthieu氏が1970年代に発明した車「Pussy Cars」は名前こそ奇抜であるが、そのデザインは、今後来る空飛ぶ車への新しいデザインの予感がする。それを図に示す。これに、

図 Pussy Cars4)

そのままドローンの技術をうまくすれば、なんとも素敵な空飛ぶ車になるかもしれない。ちなみに、この車が走行している姿も、Youtube5)に見ることができるので、興味のある方は見ていただきたい。

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/ハマー_(自動車) (閲覧2019.2.17)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/ウニモグ (閲覧2019.2.17)
3) https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1311387218 (閲覧2019.2.17)
4) https://www.messynessychic.com/2016/03/11/presenting-the-pussycar-the-maddest-cars-to-ever-hit-the-street-of-paris/ (閲覧2019.2.17)
5) https://www.youtube.com/watch?v=FIlP5aeXTFM (閲覧2019.2.17)

 
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