No.1067

題名:それは、ジョーズか、トロールか?
報告者:ナンカイン

 本報告書は、基本的にNo.1066の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 システム的にダウンさせる構文として、for文やwhile文がある。例えば、文献1)にもあるように、while (true) { printf(“hello”); }と記述すると、helloの文字の出力が延々と続き、無限ループに陥る。そこでbreakするために、n++; if (n == 10) break; のような打ち切る命令を挿入しなければならない。それに見ならい、本報告書に至るまでに調べた匿名性に関する報告を一旦、breakしたい。無限ではなくとも、随分と長々と続いているのは気のせいだろうか。今回の、そのきっかけとなったのは、breakできないトロールの仕業であろうか。インターネット上において、主に英語圏において、ゲームや電子掲示板やブログのコメント欄に、否定的な書き込みなどの迷惑行為を繰り返す人間の事を「インターネット・トロール(Internet-Troll)」、もしくは、単に「トロール」と呼ぶが、今やインターネット・ミーム(ミームについては報告書のNo.747を参照)の一つとして成立している3)。インターネット・トロールを図に示す。

図 インターネット・トロール2)

 もともとトロール自体は、北欧の国、特に、ノルウェーの伝承に登場する妖精の一種であり3)、いわゆる”いたずら好き”のような属性を持つ人間のことを指しての表現とされる4)。その一方で、人を騙して食いつかせ、レスを投稿させるようにする手法として擬餌による漁法(トロール漁法)を想起させることから、トロールになったともされる4)。報告書のNo.1064では、Webを海の中に例え、「ジョーズ」に食べられるが如し、危険性として、その存在を称したが、トロールの方がやはりよいのかもしれない。トロール漁法で、ホオジロザメも捕まえられるが、海洋生態系におけるサメにも重要な存在価値があり、サメはエサとなる生物間のバランスを保ち、病気や怪我の動物を始末して、海洋生態系の健康を保つ重要な役割を果たしていることも判明したからである5)。そこで、ここから以後は、トロールとし、サメを保護する観点で名称を正したい。
 そのインターネット・トロールであるが、研究によってその人の性格が示され、サディズム、サイコパシー、および、マキアヴェリアニズムと正に相関し、サイバートローリングは日常的なサディズムのインターネット上の表れであることが指摘されている6)。しかしながら、その実態は、全体の5.6%のみであったことも報告されている6)。言い換えると、その数からトロールがトロール漁網で釣れたら、自分は腕のいい漁師だと悠然と身構える方がよいのかもしれない。さらに、基本的には、” Do not feed the Troll.”(トロールに餌を与えない)とも言われているので、釣っても…である7)。ただし、トロール漁網を駆使するには、転覆しないように大きな漁船(自己システムにおける、心の持ちよう? テロメラーゼ阻害薬?)も、ほしいところではある。

1) https://marycore.jp/coding/infinite-loop-while-true-vs-for/ (閲覧2019.2.6)
2) https://knowyourmeme.com/memes/trollface (閲覧2019.2.6)
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/トロール (閲覧2019.2.6)
4) http://eigo-1-1.blogspot.com/2011/01/troll.html (閲覧2019.2.6)
5) https://www.padi.co.jp/visitors/fb/cam/images/shark.pdf (閲覧2019.2.6)
6) Buckels, EE, et al.: Trolls just want to have fun. Personality and Individual Differences 67: 97-102, 2014.
7) https://rationalwiki.org/wiki/Don’t_feed_the_Troll (閲覧2019.2.6)

 
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