題名:キスの生態から、キスの生態へ
報告者:トシ
さかなへんに、喜ぶと書いて、「鱚」(キス)となる。そのキスは、南アフリカから日本、オーストラリアにかけてのインド洋および西部太平洋に分布し、海岸付近の砂底で生活する種で、スズキ目スズキ亜目キス科に所属する魚である1)。日本では北海道の南部から九州まで日本各地に広く分布している魚であり2)、キスの種類の中でも代表的なキスが図1のシロギスであり、キス釣りといえば、おおよそこの魚のことを指す。外面の特徴は、細長い円筒形の体型をもち、口は小さく、口先がとがっている1)。その口先の姿はまさにキスシーンのようであるが、白く透明で美しい外見から海の貴婦人にも例えられている魚である3)。身に関しては脂肪が少なく、柔らかい白身であり、かつ、美味である1)。料理では、よく天ぷらやフライにして食べることが多いため、それを食した方も多いに違いない。筆者も好きな魚の一つである。
図1 シロギス2)
キスは、産卵期である夏には沿岸の浅い場所まで移動する1)。そのため、その時期は、砂浜などでも泳ぐ姿を見ることもできる。食性は肉食性で、ゴカイ・スナモグリ・ヨコエビなど海底にひそむ底生生物を捕食することから1)、釣りえさでもゴカイがよく用いられる。なお、釣りでのキスの様子は、体が小さな割にアタリが大きく、よく引く魚で竿先にブルブルと来る4)。そのことから、さかなへんではなく、ひとへん(にんべん)に喜ぶ「僖」(釣り人側)も大きい。
一方、海の貴婦人であるなら、人の貴婦人(あるいは伯爵) などにキスするのは、ひとへん(にんべん)に喜ぶ「僖」はどういう変化が伴うのであろうか。そこで、次は、人のキスの生態に迫りたい。
ウェスタン・イリノイ大学の心理学者であるJack Schafer博士5)によると、キスにはいくつかの効果がある。抜粋すると、①素早いロマンチックなキスは、約2~3カロリーを消費する。そして、より情熱的なキスは、キスの持続時間と親密さに応じて5以上のカロリーを消費する、②平均的には、多くの人は、自分の人生においてキスを約20160分する、③女性は、短期的な関係が長期的な関係に発展する可能性をキスで判断するだけでなく、短期的な関係に対する男性の適合性を評価する、④キスに伴う口腔内の粘膜は、テストステロンのようなホルモンに対して透過性であり、それによって、生殖行動に関与する可能性を高める、⑤開かれた口のキスの唾液交換の促進によって、出生活動に対する女性の受容性を調節する、⑤キスは人の健康に関する情報を提供し、個体の口の味と匂いによる健康状態を伝えることができる、である。11代目のゼクシィCMガールとしてCM界を賑わせた井桁弘恵さんは(図2)、撮影中なんと100回以上キスを交わしたとされるが6)、CMの反響も「僖」のようである6)。
図2 ゼクシィCM6)
1) https://ja.wikipedia.org/wiki/キス_(魚) (閲覧2018.11.13)
2) https://fishingjapan.jp/fishing/detail.php?no=3295 (閲覧2018.11.13)
3) https://www.zukan-bouz.com/syu/シロギス (閲覧2018.11.13)
4) http://www.tsuttarou.co.jp/sp_beginner/kisu/index.html (閲覧2018.11.13)
5) https://www.psychologytoday.com/us/blog/let-their-words-do-the-talking/201212/odd-facts-about-kissing (閲覧2018.11.13)
6) https://www.youtube.com/watch?v=Lju7K-N55FM https://youpouch.com/2018/04/23/505542/ (閲覧2018.11.13)