No.920

題名:ゴミ焼却炉の問題
報告者:ダレナン

 年々とあふれていくゴミは、やがて地球のいたるところで露出し、もはや地球にはゴミを埋める場所がなくなりつつあった。30XX年の事である。そこで、各国の首脳が集まって、世界的な、地球規模のゴミ問題について、討論した。

A国:我々の地球上のゴミは、もはや処分することができないレベルまでになった。一刻も早く、この問題について解決しなければ、地球がゴミ屋敷、いやゴミ惑星と化してしまう。そこで、皆様から様々な意見を聞かせていただきたい。

B国:南極の埋め立て穴をもっと拡大する、あるいは、海をすべてゴミで埋め立てるのはどうだろうか?

C国:それだと、我らが地球の母なる海が失われてしまうではないか。ただでさえ、その海が埋め立てのしすぎで縮小して、油だらけになりかけているのに、これ以上悪化すると、我々の命もあぶなくなってしまう。

そのとき、宇宙開発で最も進んでいるD国の首脳が言い放った。

D国:実は我々は、この問題について早くから分析し、ひとつのアイデアを実現すべく、今開発をしている。それをお見せしたい。

A、B、C国:ほほぅ。それはいかなるアイデアなのか?

D国:我がD国は、惑星間を行き来している巨大ロケットを所有しているのは、皆様もご存知の事であろう。我々は、それを、ゴミを運搬する専用のロケットとして試作し、このたび、ようやくそのロケットを実現できる段階にまでこぎつけた。

そして、スクリーンにその巨大なゴミ運搬ロケットが映し出された。

A国:これは素晴らしい。では、それをどのように利用しようと考えておいでか?

D国:これを太陽の軌道に周回させて、太陽の真上からゴミを落とす。太陽の表面の温度は、約6000度もある。ここにゴミを放り込めば、すべてのゴミを焼き尽くすことができるはずだ。いわば天然のゴミ焼却炉として太陽を使うのだ。

A、B、C国:ブラボー。

という会議が、30XX年9月29日にあった。まさに苦肉(929)の策である。

 
pdfをダウンロードする


地底たる謎の研究室のサイトでも、テキスト版をご確認いただけます。ここをクリックすると記事の題名でサイト内を容易に検索できます。



...その他の研究報告書もどうぞ