題名:Apple史における人的な流れを図で表現する
報告者:ナンカイン
本報告書は、基本的にNo.495の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
先の報告書にてスティーブ・ジョブズ氏が創業したAppleの歴史を製品の発表などに伴う動画で振り返るとともに、そこにはジョブズ氏が理想とするAppleのコア(芸術)の変遷をも垣間見ることができた。しかしながら、Apple史の流れはジョブズ氏に影響は無視することはできないものの、ジョブズ氏を中心とした人的な流れでもってAppleが巨大な企業へと成長したことも事実である。そこで、ここでは、その人的な流れを図で表現したい。
Appleにはスティーブ・ジョブズ氏以外にも重要な人物がいることは、多くの人が知るところではある。もちろん、私生活においても重要な人物は多いが、ここでは、企業体としての人物を揚げると、AppleⅠ・Ⅱの技術を支えたスティーブ・ウォズニアック氏、AppleⅡでのマーケティングや営業を支えたマイク・マークラー氏、ペプシのマーケティングで手腕をふるった後に、Macintosh時代のAppleのマーケティングの節目を荷ったジョン・スカリー氏、現在のAppleのデザインの流れを創ったジョナサン・アイブ氏、現在のAppleのCEOであるテム・クック氏となるであろうか。それぞれの人物について活躍した時代を列挙すると、
スティーブ・ジョブズ氏(SJ):1975-1985年、1996-2011年
スティーブ・ウォズニアック氏(SW):1975-1985年
マイク・マークラー氏(MM):1977-1997年
ジョン・スカリー氏(JS):1983-1993年
ジョナサン・アイブ氏(JI):1992年-現在
テム・クック氏(TC):1998年-現在
となる。これを図示すると図のようになる。これをみると分かるが、人的な流れの流れで示すと、MM(マイク・マークラー氏)が設立当初を支えた重要人物となり、JI(ジョナサン・アイブ氏)が現在の流れで重要な位置を占めていることが明らかである。SJ(スティーブ・ジ
図 Apple史における人的な流れ
ョブズ氏)が途中破線で途切れているのは、ここで言うまでもないが、Appleを解任された期間で、NeXT、Pixerに力を注いだ時代でもある(No.495も参照)。その流れにおける逸話は文献1), 2)に詳しい。一方、現在の重要な位置を占めているジョナサン・アイブ氏は、大学生時代にMacintoshに出会ったことでAppleに入社している3)。MacintoshはNo.494でも示したようにAppleの輝けるコア(芸術)の一つの頂点でもある。このことから、物的な流れではMacintoshがAppleの方向を開花させたことになるのは間違いない。
1) アイザックソン, ウォルター: スティーブ・ジョブズ Ⅰ. 講談社. 2011.
2) アイザックソン, ウォルター: スティーブ・ジョブズ Ⅱ. 講談社. 2011.
3) ケイニー, リーアンダー: ジョナサン・アイブ. 日経BP社. 2015.