No.762

題名:映画「アデル、ブルーは熱い色」に登場するスパゲティの精義
報告者:トシ

 本報告書は、基本的にNo.730の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 報告書のNo.730にて映画「アデル、ブルーは熱い色」を巡る愛の形を取り上げていた。ここでは、その映画の愛に関わるシーンではなく、映画に登場するもう一つの象徴的なシーンでもあるスパゲティを食べることに関して正しい意義を独自に解釈したい。なお、映画自体はR-18指定となっている。このことから、スパゲティが相当に”好き”としても、18歳未満の方ならば、この映画を拝見する際には注意していただきたい。
 映画「アデル、ブルーは熱い色」は性と愛を巡って、そこに情が生じることで、様々な愛の形を描いている。一方で、人間の欲求には大きく分けて3つある。それが食欲、排泄欲、睡眠欲である(No.36も参照)。年齢的に応じると、場合によっては、排泄欲は、性欲ともできよう(No.186も参照)。そのため、映画「アデル、ブルーは熱い色」はR-18指定であることから、欲求として食欲、性欲、睡眠欲に絞ることができるのかもしれない。性欲は、先頃に述べたように、映画では愛の形として出現する。ただし、それが欲求としての愛と情であるかは、その当事者の立場から難しい判定となるところではあるが、報告書のNo.730になぞってこれを言えば、透明な愛とも呼べるのかもしれない。完全な欲ではなくとも、求めるものがそこには存在する。同じように食欲も食べることへの希求でもある。しかしながら、これも純粋な食事として考えると、これも求めることになり、純粋に好きな食べものとできようか。そこで、注目したいのが、映画に登場するスパゲティの食べるシーンである。明らかに”おいしそう”であり、アブデラティフ・ケシシュ監督の”おおいなる思想”、略して、”おい思想”もそのシーンに含まれていることも読みとれる。映画の元となったジュリー・マロ氏によるバンド・デシネ「ブルーは熱い色」には同様のシーンがないことから、アブデラティフ・ケシシュ監督も、むろん、そのスパゲティが好きであることも推測される。すなわち、そこには、好きなものへの、性と食の融合として描かれる。

図1 アデル・エグザルホプロスさん1)

 さて、映画「アデル、ブルーは熱い色」に登場するそのスパゲティであるが、主役の女優さんであるアデル・エグザルホプロスさんが食べている図1をみると分かるが、赤い色をしたスパゲティである。さらに、その後の調査によって、このスパゲティがスパゲティ・ボロネーゼであることが判明した。図2にスパゲティ・ボロネーゼを示す。これを発見した文献2)の筆者の方も、この映画に関して、「そして、観終わった後、無性にあのボロネーゼが食べたくなる。」と述べている。それほどまでに、スパゲティ・ボロネーゼの”好き”という感情も、うまくこの映画には(大)盛り込まれている。

図2 スパゲティ・ボロネーゼ2)

1) http://moompitchers.blogspot.jp/2017/10/blue-is-warmest-color-la-vie-dadele.html (閲覧2018.3.22)
2) https://makeadish.exblog.jp/22614009/ (閲覧2018.3.22)

 
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