題名:ラピスラズリの意味とアジュールな魅惑
報告者:アダム&ナッシュ
自然界が創りだす物は、人工では創ることができない天然の輝きがある。そこには地球の誕生、さらに意識を拡大すると、宇宙の誕生をも感じさせることがしばしばある。特に、天然石は、パワーストーンとも呼ばれ、古くから信仰の対象として、その不思議な輝きに人々は魅了されてきた。その天然石は誕生月とも関係が深く、1月であればガーネット(柘榴石)、2月であれば、アメシスト(紫水晶)、3月であればアクアマリン(藍玉)など、誕生月によって天然石が割り当てられているのは、多くの人が知るところである1)。その裏には、先のパワーストーンという言葉にもあるように、誕生月に相当する石を身につけることで、なんらかの加護(パワー)があるからである1)。しかしながら、そのパワーを与える現象は、今でも科学的には根拠がない。石によっては、石から固有の波動が出て、それが人体に影響を及ぼすともいえるかもしれないが、人体と石との間における相互的なパワーの根拠は、今もって科学的には証明されていない。ただし、根拠がなくとも、旧約聖書の出エジプト記28章17 – 21節には、すでに12個の貴石の記述があったことから1)、古くから人々の信仰として天然石が崇められたのは、やはりそこに何かを見出していたことが示唆されよう。それを裏付けるように、今でも貨幣の価値が社会的な状況から下がったとしても、宝石の価値はなん時も、あるいは、国境を越えようとも、ゆるぎない。宝石を分子的に考えると、ただの鉱物であるにも関わらず、である。
その天然石の中でも、12月、または、9月の誕生月に相当するパワーストーンに、ラピスラズリがある2)。このラピスラズリは絵画界でも有名であり、特に、オランダを代表する画家のヨハネス・フェルメールがこのラピスラズリを多用したことは報告書のNo.234でも示した。フェルメールが在命中の当時の17世紀頃、このラピスラズリを原料とする顔料のウルトラマリンは非常に高価であり、これを多用していたフェルメールも、家族を借金の泥沼に陥れていたともいわれている3)。今では人工のウルトラマリンもあるが、天然のラピスラズリによるウルトラマリンの顔料は、現在でも15mlで5万円もする4)。ちなみに、日本語でラピスラズリは、瑠璃色、または、暗青~暗青緑を意味する「紺碧」と訳され、海の色を表すとともに4)、「紺碧」の場合、英語で「Azure(アジュア)」、フランス語で「Azur(アジュール)」と素敵な名称もある5)。ゆえに、その素敵な名称の如く、青が深くなった「紺碧」は、人に対して無限の感覚を呼び起こし、純粋で超自然的なものへの欲求として3)、人々に輝きを与え続ける。石ですらそうであるなら、人体にこの「紺碧」を持っていたとしたら、石以上に魅かれるのは、やはり自然の掟でもあろうか。写真家のKayleighJune氏による図のモデルさんは、その写真の題「Azure」が示すように、魅惑的な瞳を持っている。
図 KayleighJune氏による写真6)
1) https://ja.wikipedia.org/wiki/誕生石 (閲覧2018.3.1)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/ラピスラズリ (閲覧2018.3.1)
3) https://gigazine.net/news/20150610-world-costliest-color-ultramarine/ (閲覧2018.3.1)
4) http://www.tawarayakobo.com/10.gazai/material/pigment/lapis_lazuli-001.html
5) https://ja.wikipedia.org/wiki/アジュール (閲覧2018.3.1)
6) https://kayleighjune.deviantart.com/art/Azure-290416638 (閲覧2018.3.1)