No.677

題名:4n+1の素数について
報告者:ログ

 素数は1とその数以外に割ることが出来ない数であり、一桁の自然数からピックアップすると、2、3、5、7となる。どれも1と自身の数以外に割ることは出来ない数である。ちなみに、今年の西暦である2017も素数であり、次の素数が来る年は、2027の10年後となる。さらに、2017年の和暦の平成29年の29も奇数である。
 素数の正式な説明は、文献1)にあるように、「1 と自分自身以外に正の約数(整数Aが他の整数Bで割り切れる時の、Aに対するBのこと)を持たない自然数(正の整数)で、1でない数のことである。」となる。このことから、例え、1と自身の数である1で割り切れる1であっても、そこに1は素数として含まれない。
 この素数に関して、現在のインターネットにおいては、実はあらゆるところで用いられている。それが暗号技術となる。この暗号技術にはいくつかの種類があり、公開鍵暗号方式としては、RSA暗号(暗号の発明者である3人の名前、R. L. Rivest博士、A. Shamir博士、L. Adleman博士の頭文字から名付けられた3))があり、共通鍵暗号方式としては、DES暗号(Data Encryption Standard)、IDEA暗号(the International Data Encryption Algorithm)、RC4暗号がある2)。この中で素数を利用したのがRSA暗号になる。伊藤正史氏によれば4)、RSA暗号は、自由に選んだ異なる二つの素数を掛けた数を法とする世界を利用する。その仕掛けは文献5)に詳しく記載してあるのでそちらを参照していただきたい。要は、このような暗号技術で持って、文章はもとより、クレジットカード番号などが暗号化され、機密が保たれている。
 一方、このような暗号技術にも利用される素数であるが、この素数には、さらに選ばれし素数がある。それが表題の4n+1の素数である。ピタゴラス素数とも呼ばれ、二個の平方数の和で表される奇数の素数がそれに当たる6)。例えば、
5 = 12+22    13 = 22+32
となり、5 = 4*1+1、13 = 4*3 +1でどちらもピタゴラス素数で、かつ、二個の平方数の和で表される奇数の素数であることが分かる。数学的には、「ある奇素数が4で割ったら1余ること」は「ある奇素数が2つの平方数で表せること」の必要十分条件となり、数式では、

p=4n+1 ⇔ p=x2+y2
ただし、 p は奇素数。n、x、y は1以上の整数。

と表現できる7)。これをフェルマーの二平方定理と呼ぶ7)。

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/素数の一覧 (閲覧2017.12.12)
2) http://www.ccjc-net.or.jp/~kouza/angou/crypto03.html (閲覧2017.12.12)
3) http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0401/01/news086.html (閲覧2017.12.12)
4) http://www.maitou.gr.jp/rsa/rsa10.php (閲覧2017.12.12)
5) http://www.maitou.gr.jp/rsa/rsa11.php (閲覧2017.12.12)
6) https://ja.wikipedia.org/wiki/ピタゴラス素数 (閲覧2017.12.12)
7) http://tsujimotter.hatenablog.com/entry/2014/03/21/025930 (閲覧2017.12.12)

 
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