題名:QRコードの謎と仕組み
報告者:ログ
QRコードについて今や知らない人はいないであろう。例えば、当ショのURLを基に、文献1)などでQRコードを作成すると、図1のようになる。これを見ると明らかであるが、3つの隅に同じような黒枠の四角があり、その中に、小さい黒の四角が散らばっているのが分かる。これがQRコードの特徴でもあり、意外と知らない謎でもある。そこで本報告書ではQRコードの謎に迫るとともに、その仕組みについて調査する次第である。
QRコードの開発については、文献2)に詳しくあるが、実は開発者は日本の方である。車の配線などでも有名な株式会社デンソー(今はデンソーウェーブという会社、当時は
図1 当ショのQRコード
株式会社デンソーの一事業部)にいる原昌宏氏ともう一人の2人で始めた開発とされる2)。それは、今から遡ること23年前の1994年となる。現在は、デンソーウェーブの登録商標(第4075066号)して登録されている3)。ここで、アジアの、特に、今やアジアの中心である中国に眼を向けると、図2のようにQRコードの広がりが見てとれる。中国では、電子商取引などの決済は、QRコードの最も自然な用途の1つとして定着し、中国のブランドもインタラクティブなマーケティングキャンペーンの作成から、純正品の認証まで、QRコードを使用している4)。開発元である日本でも近年はよく使用されるも、中国はそれよりもはるかにQRコードの利用が見てとれる。このことから、QRコードはすでに日本の開発という手を離れて、アジアの、さらには、世界の
図2 中国におけるQRコードの使用例4)
QRコードとなりつつあるのかもしれない。
このQRコードの3つ隅にある四角は、切り出しシンボルとも言われ、”ここにコードがある”という位置情報となる2)。これが開発での大きな役目を果たし、これによって高速読み取りが可能となった2)。さらに、この切り出しシンボルは、印刷物の中で「一番使われていない比率」として、1:1:3:1:1の比率があり、この比率を出すまでに相当な苦労があったことが伺われる2)。今では最初に造られたQRコードだけでなく、マイクロQR、iQRコード、SQRC、フレームQRと5種類のQRコードが存在する。ちなみに、通常のQRコードは情報量が約7000文字であるが、iQRコードは約40000文字まで記録できるようになった3)。
かつてバーコードという縦1次元でコード化されたコードがあった6)。しかしながら、QRコードは縦横に情報を持つ2次元というコード化でもって、多くのデータを格納できようになった6)。これが1次元と2次元の差にも繋がる。今後、間違いなくスマホの普及とともに用途の広がりを感じさせる2次元コードである。
1) https://www.cman.jp/QRcode/qr_make/ (閲覧2017.9.7)
2) http://www.qrcode.com/history/ (閲覧2017.9.7)
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/QRコード (閲覧2017.9.7)
4) http://www.brandguardpro.com/rise-qr-code-china/ (閲覧2017.9.7)
5) http://www.qrcode.com/codes/ (閲覧2017.9.7)
6) http://www.su-gomori.com/2010/12/ qrコードの仕組み.html (閲覧2017.9.7)