No.570

題名:フクロウにまつわる世界の神話
報告者:トシ

 フクロウはフクロウ目で鳥類の1種であるが、鳥類の中でも特徴的な風貌を持ち、しかも、その多くが夜行性であることから、古くからフクロウに関する神話が世界各国に存在する。日本では、かつて、フクロウは死の象徴ともされていた1)。そのため、フクロウを見かけると不吉なことがあるとも言われていた1)。それはやはり夜行性とも関係があろうか。しかしながら、フクロウをゴロ合わせでみると、「不苦労」、「福郎」ともなるため、現在は福を呼ぶ鳥とも言われている1)。
 一方、筆者にとっては、少なくともフクロウにはとてもよいイメージがある。そのイメージの根源は、ここでは私事ともなるが、かつての幼少時代、体が弱かった時代に、頻繁に行く病院の待合室にフクロウの石像があったことにも関係しているであろう。たぶんに御影石のようなつるつる石で出来ていたその石像は、健康になる証のようにも感じられ、なでるとそのつるつる感もあって、病気になった時にその病院でよくその石のフクロウをなでていた記憶が残っている。当時の筆者としては、健康になるためのフクロウ様様であったのかもしれない。

表 世界におけるフクロウの神話のよいわるい

 そのような経緯から、世界でみるとフクロウにはどのようなイメージがあるのかが、筆者にとっては気にはなる。そこで、本報告書ではフクロウにまつわる世界に神話について調べたい。
 世界にはこのフクロウをこよなく愛している方がいるようであり、1998年の10月26日の最初のアップロードからすでに20年近くフクロウについて調べているDeane Lewis氏によれば2)、新旧の各地域におけるフクロウの神話のよいわるいについて文献3)より表のようにまとめることができる。この表で明らかによい神話は〇、どちらともとれる神話は△、よくない神話を×として示した。これを見ると著しい地域性は認められないものの、比較的にフクロウはよいイメージがあるのかもしれない。しかしながら、キリスト教の伝統によれば、フクロウはキリストの知恵を表すとともに4)、ヨーロッパではその影響もあり、学問の神、英知の象徴とされている1)、一方、ネイティブアメリカンの文化によっては、フクロウと超自然の知識と占いが結びつき、一部のネイティブアメリカン諸国では、フクロウに対して強いタブーがあったりする4)。北海道のアイヌ民族では、村の神としてあがめられてもいる4)。ただし、筆者個人は、健康にしてくれたことから、福を呼ぶ鳥といえばフクロウに相違ない。

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/フクロウ目 (閲覧2017.8.23)
2) https://www.owlpages.com/owls/about.php (閲覧2017.8.23)
3) https://www.owlpages.com/owls/articles.php?a=63 (閲覧2017.8.23)
4) https://www.owlpages.com/owls/articles.php?a=64 (閲覧2017.8.23)

 
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