No.514

題名:甘鯛はあま~い鯛なのか?
報告者:ちょろりん

 甘鯛は、その字の通り、甘い鯛と書く。何だか心が疲れて、誰か、人に、”甘えたーい”、時に食べる、そんな訳ではないだろうが、甘い、と、鯛、が組み合わさることで、なんて素敵な鯛なのと思いきや、さらに、波状攻撃の如く、”こ、こ、この鯛、たいそー甘いの?”、と数多くのダジャレを産み出せる。ここに、まさに、甘鯛マジックが潜んでいる。その甘鯛を図に示す。図で見ると分かるが、その名に恥じないぐらいに、あま~いマスクをしていると感じるのは、何も筆者だけではないであろう。鯛の中でもキュートな面持ちの鯛ちゃんである。
 その甘鯛であるが、表題にある如く実際はあま~い鯛なのであろうか。本報告書では、甘鯛を食べた方々のレビューを調べることで、それを検証した。
 図の甘鯛は、瀬戸内たいたいCLUB2)の一品であるが、この鯛の味に関するレビュー1)を拾い上げると、

図 甘鯛1)

・大変美味だった。
・とっても美味しい甘鯛でした。
・サイコー!うまかった~!
・とても美味しくいただきました。
・甘鯛は身が柔らかく、甘みがあり、本当においしいです。
・味もしっかりしていてとても美味しかったです。
とあり、この中で甘さに関するレビューは上から5つ目の、甘み、となる。その他はおいしいとあるも、甘さに関する具体的な記述は見られなかった。これとは別に、納得できるレビューとして、カワイイお魚ですね、とも書かれており、あま~いマスクが、これで一部は立証されたかもしれない。しかしながら、本当に、あま~い鯛なのかが、これらのレビューからのみでは判定しにくい。そのため、さらに甘鯛について調べると、江戸時代前期の医師で本草家である人見必大3)によって著された「本朝食鑑」や、江戸時代後期の儒者である饒田西疇4)によって著された「海魚考」には、甘鯛に関して以下のように記されていることが判明した5)。

本朝食鑑:「味は極めて甘美く、肉も淡白で、きわめて美味」
海魚考:「あまだい、味(あじわい)あまし、故に名づく」

これらによって、すでに江戸時代から甘鯛は、あま~い鯛、と認識されていることが判明した~ぃ。

1) http://item.rakuten.co.jp/taitai/s_0062/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_103_1_10000645 (閲覧2017.6.20)
2) http://www.rakuten.co.jp/taitai/ (閲覧2017.6.20)
3) https://kotobank.jp/word/人見必大-1103616 (閲覧2017.6.20)
4) https://kotobank.jp/word/饒田西疇-1098811 (閲覧2017.6.20)
5) http://www.maruha-shinko.co.jp/uodas/syun/19-amadai.html (閲覧2017.6.20)

 
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