題名:トートバックの歴史から浮かび上がる2人の女性デザイナー
報告者:エコノ
トートバックはとても便利である。口ががばっと開いていて、なんでも入れやすい。しかも、丈夫なものも多く、適当になんでも詰め込んでも、破けることが少ない。そのトートバックであるが、トートという響きになんとなくつられ、その語源を調べると、トートとは英語で、”tote”、または、”tate”となり、その意味は”to carry(運ぶこと)とされる1)。語源自体は1900年にもあったものの、バックでの意味で使用されたのは、アウトドアメーカーの老舗の一つであるLL Beanが、1944年に手掛けた氷の塊を運ぶために作ったビーンズ・アイス・キャリアがそれであり、そのキャリアの誕生が現在のトートバッグへと繋がる1, 2)。原点がそのような重いものを持ち運ぶバックであったために、今でもトートバックの耐久性が高いのは、それに一理があるからなのであろう。そのような歴史を持つトートバックであるが、現在では、ただ口ががばっと開くタイプだけではなく、様々なトートバックが販売されている。例えば、海外のNORDSTROMのトートバックに関するHP3)を覗くと、驚くぐらいに多種多様なトートバックがあることが分かる。トートバック好きの人であれば、一度HPをのぞいてみることをお勧めしたい。ちなみに、マウスオーバーで女性がバックを身につけている様子も見られる。さらに、このショップでは、日本への輸送も行っているようで、他人が持っていないであろうトートバックも、もしかすると手に入るかもしれない。
事実上、1944年に誕生したとされるトートバックであるが、その歴史はすでに70年以上も経過している。そのため、その70年の間に、そのトートバックをただのバックではなく、ファッションアイテムとして発展させた女性デザイナーが2人いることが分かった。一人は、Bonnie Cashinさん、もう一人は、Kate Spadeさんである。文献1)によれば、1960年代にBonnie Cashinさんがスタイルと機能を組み合わせたCashin Carry Tote Bagsという独自のトートバッグをリリースし、さらにその後、1990年代にKate Spadeさんがアメリカ文化でのトートバッグのファッション性を変えた、と言われている。すなわち、この2人の女性デザイナーの活躍が、トートバックを一流のファッションアイテムとして飛躍させたのである。図にBonnie Cashinさんによるトートバックと、Kate Spadeさんを示す。トートバックも奥が深い世界である。
図 Bonnie CashinさんとKate Spadeさんによるトートバック4, 5)
1) https://en.wikipedia.org/wiki/Tote_bag (閲覧2017.2.2)
2) http://www.llbean.co.jp/shop/pages/boatandtote.aspx (閲覧2017.2.2)
3) http://shop.nordstrom.com/c/tote-bags (閲覧2017.2.2)
4) http://www.polyvore.com/cgi/img-thing?.out=jpg&size=l&tid=10478959 (閲覧2017.2.2)
5) https://www.lyst.com.au/bags/kate-spade-cedar-street-small-harmony-tote-clocktowerblack/ (閲覧2017.2.2)