題名:今日のストーリーは、「砂の上の誘い」
報告者:ダレナン
「ねぇ、グラビアの撮影って、こんな感じ?」
砂にうつ伏せた彼女が、頬杖をついたまま僕を見上げてくる。
潤んだまなざしは、どこかいたずらっぽく、それでいて…なぜだろう、肌の内側をくすぐるような熱を連れてくる。
潮風がそっと吹き抜けるたび、彼女の髪が肩に貼りつき、細い背筋の線をなぞる。
水着の隙間から覗く素肌に、塩の気配と陽射しの名残が残っていて、それはもう「視る」よりも、「触れる」に近い感覚だった。
僕の指先までが、何もしていないのに、微かに潮を吸ったような気がする。
「そう…じゃないかな。撮影したことないけど」
かろうじてそれだけ答える。けれど声は、いつもより少し低く、乾いていた。
彼女は小さく笑い、両脚を後ろで組むようにして揺らす。太ももに砂がきらきらと貼りつき、そのすべてが僕を誘っていた。
波音が遠くに響いている。
でも今、ここで鳴っているのは、彼女のまなざしがかきたてる鼓動の音だった。