No.2934

題名:今日のお題は、「そんなRockな透明感をわたしにもください。」
報告者:ダレナン

(No.2933の続き)
夜明けが静かに訪れ、肌にふれる空気が少しだけ甘く感じられる瞬間。
そんなとき、ふと流れてくるのが「Rock With You」──
マイケル・ジャクソンの声は、風よりも柔らかく、星よりも近くに寄り添ってくれる。

この曲は、激しい恋ではない。情熱の火が燃え上がるものでもない。
けれど、だからこそ深く、優しく、永遠に残る。
彼の声は、まるでガラス細工のように繊細で、だけど決して壊れない強さを秘めている。

「Just take it slow」
そう囁かれたとき、聴き手の心は、まるで抱きしめられたようにほぐれていく。
リズムはしなやかで、グルーヴは波紋のように広がる。
彼の誘う“踊り”は、外に向かって弾けるものではなく、内側にそっと灯るもの。
それは自己肯定の舞踏であり、孤独の溶解でもある。

この曲は、女性である私たちが日々抱える不安や、やさしさを求めてしまう脆さに、
静かに寄り添ってくれる。
「あなたはそのままで美しい」と、語りかけるように──
媚びるでもなく、支配するでもなく、ただ隣にいてくれる。
そんな男性像が、マイケルの声には宿っている。

「Rock With You」は、1979年という時代を超えて、
誰かと静かに心を通わせたい夜に、今もなお寄り添ってくれる。
それは、愛のあり方が多様化し、速度が増したこの時代において、
なおさら貴重なものだ。

彼はもういないけれど、
あの優しいグルーヴは、これからも静かに私たちを包み込むだろう。
ガラスのような強さと透明感で。

そんなRockな透明感をわたしにもください。

 
pdfをダウンロードする


地底たる謎の研究室のサイトでも、テキスト版をご確認いただけます。ここをクリックすると記事の題名でサイト内を容易に検索できます。



...その他の研究報告書もどうぞ