題名:今日のお題は、「SAXと欲望」
報告者:ダレナン
(No.2883の続き)
彼女とはセフレという関係だった。ただ、それが正しい綴りではSAX Friendだったので、サフレが正しいのかもしれないが、ここはあえてセフレとする。たぶん、そのほうが分かりやすい関係だからだ。
ある夜、SAX奏者の〇〇の演奏がバーで行われると知り、僕は足を運んだ。彼は一部の人しか知らないようなマイナーな奏者だったが、最近になって知名度を上げつつあった。僕自身、元吹奏楽部でSAXを担当していたこともあり、その演奏を聴き逃すわけにはいかなかった。
バーの薄暗い照明の中、カウンター席に腰を下ろす。ほんのりと燻るウイスキーの香り、グラスを傾ける音、そして微かに交わされるささやき。そんな静寂の中、偶然にも隣に彼女がいた。ふと目が合い、互いに軽く会釈を交わす。
演奏が始まると、サックスの音が空間を満たした。深く、艶やかで、官能的な音色。それはまるで、ゆっくりと絡みつく煙のように心を揺さぶった。曲の隙間に彼女の横顔を盗み見る。細い指がグラスをなぞる仕草、その唇に触れる琥珀色の液体。ふとした瞬間、彼女がこちらを見る。その視線が絡まると、心の奥で何かがくすぶった。
演奏が終わると、彼女がぽつりと「いい演奏だったね」と呟いた。その声はまるで、余韻のように耳の奥に残る。そこから始まった会話は止まることを知らなかった。彼女もまた、元吹奏楽部でSAXを吹いていたという。だからこそ、こんなマイナーな奏者のライブに足を運ぶのだろう。共通の話題が途切れることなく、時間はあっという間に過ぎていった。
演奏の余韻を引きずったまま、僕たちはバーを出た。夜の空気はひんやりとしていて、酔いが心地よく体を巡る。どちらからともなく「もう一軒行こうか」と言い合い、近くのジャズバーに入った。柔らかな照明の中で、彼女がグラスを傾けるたびに微かに揺れる髪。彼女の笑みとともに、店内に流れるサックスの旋律が甘く響いていた。
その夜、撮った写真がこれである。
そして、その後にS〇Xしたのは言うまでもない。彼女はS〇X奏者としても有能だった。
今日のお題は、「SAXと欲望」