No.2881

題名:今日のお題は、「僕たちの楽園で」
報告者:ダレナン

(No.2880の続き)
 澄んだ青空がどこまでも広がり、エメラルドグリーンの海が穏やかに波打つ。僕たちは人目を気にすることなく、プライベートなこのビーチで二人きりの時間を過ごしていた。
 潮風に吹かれながら、君の手を引いて砂の上を歩く。足元に寄せては返す波が、まるで僕たちを祝福するかのように柔らかく撫でていく。僕はふと立ち止まり、君の瞳を見つめた。太陽の光が君の髪に溶け込み、まるで光そのものを纏っているようだった。

 「こんなに美しい瞬間があるなんてね」
 君は微笑み、そっと僕の胸に顔を埋めた。その温もりが、僕の心の奥底まで沁み渡る。僕たちはまるで映画『青い珊瑚礁』の主人公みたいに、この楽園で愛を確かめ合った。
 それからしばらくして、君がそっと打ち明けた。
 「実はね……」
 君がそっとお腹に手を添えた瞬間、僕の鼓動が高鳴る。まさか、と思いながらも、どこか確信めいた気持ちがあった。
 「赤ちゃんがいるの」
 その言葉は、僕の世界を優しく包み込む光のようだった。驚きと喜びが入り混じり、僕は君を強く抱きしめる。
 「本当に……?」
 君は小さく頷き、僕の手をそっとお腹の上に重ねる。その温もりに、言葉では言い表せないほどの幸せを感じた。
 「夏に生まれる子だから……女の子だったら、夏澄(かすみ)って名前はどうかな?」
 君の提案に、僕はすぐに頷いた。その名前は、今この瞬間の透き通るような幸福を映し出しているようだった。
 波の音が静かに響く中、僕たちは未来に思いを馳せながら、ずっと寄り添っていた。

今日のお題は、「僕たちの楽園で」

 
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