題名:今日のお題は、「透明なスカート」
報告者:ダレナン
(No.2856の続き)
僕は写真館を営んでいる。かつては父が、そして今は僕が、そのシャッターを切る。ある日、僕は不思議な写真のアイデアを思いついた。
「心の清い人にだけ、スカートが見える写真を撮れないだろうか?」
荒唐無稽だと思いながらも、どうしてもそのイメージが頭から離れなかった。ならば、試してみるしかない。
僕の頼れるモデル、彩香にその話をすると、彼女は少し微笑んで「面白いわね」と言ってくれた。彼女は、 いつも僕の突飛なアイデアを否定せず、受け入れてくれる数少ない人だった。
撮影の日。彼女は白いシャツとスカートを身にまとい、柔らかな春の光の中に立っていた。僕は、特殊なフィルターを使い、光の屈折を利用してスカートを半透明にする仕掛けを施した。だが、それだけではただのトリック写真だ。大切なのは「見る側の心」だった。
出来上がった写真を数人に見せた。反応は様々だった。
「綺麗な写真だね。純白のスカートが光を浴びて幻想的だ」
「え? 彼女、スカート履いてる? いや、どう見ても……」
面白いことに、同じ写真を見ているのに、人によって見え方が違うのだ。ある者は普通の写真として捉え、 ある者はスカートが消えたと驚愕した。
僕は確信した。これは単なる技術ではない。人の心が反映される、不思議な写真なのだ。
それを証明するかのように、一人の男が顔を真っ赤にして言った。
「お前、こんな卑猥な写真を撮るなんて最低だぞ!」
けれど、その横で彩香は微笑んでいた。
「ふふ、心の目で見れば、ちゃんと見えるのにね」
彼女の言葉は、僕にとって答えそのものだった。
それ以来、僕はこの写真を「心映えのポートレート」と呼ぶようになった。そして、それを見た人々が、何を見るのかを静かに見守ることにした。
ただの写真ではない、心を映す鏡のような一枚。
――さて、あなたには、彼女のスカートが見えますか?
今日のお題は、「透明なスカート」