No.2856

題名:今日のお題は、「白い水着と夕日のダンス」
報告者:ダレナン

(No.2855の続き)
波が足元を優しく撫でる。白い水着を纏った君は、夕日の残照の中で振り返った。その姿は、まるで夢と現実の狭間に浮かぶ蜃気楼のようだった。

「ねえ、踊らない?」君は微笑んで言った。

潮風が頬を撫で、遠くでカモメが鳴く。僕の胸の鼓動は速くなり、それはまるでBryan Ferryの「Don’t Stop The Dance」のリズムとシンクロしていた。

Don’t stop the dance

夜がゆっくりと海を黒く染めていく。でも、君は白いままだった。光を失わない幻影のように。

「ママは言ったの、愛が全てだって Mama says love is all that matters」

君の囁きが耳元で弾ける。その声はあまりにも甘美で、あまりにも妖しくて、僕の理性を溶かしていく。

「でも、ママは知らなかったの。愛はね、人を狂わせるんだよ」

君の笑顔が揺らぐ。海の向こう、太陽は最後の光を投げかけ、君の影は砂浜に長く伸びていた。

その影が、ふいに動いた。

影だけが、勝手に踊り出した。君の体は静止したまま、影は狂ったようにステップを刻んでいる。まるで魂を持つかのように、まるで僕の心臓のリズムに合わせるように。

「ほら、止められないでしょう?」

僕の足も勝手に動き出した。抗えない。君の魅力に、君の魔法に、僕は囚われてしまったのだ。

夕日は完全に沈み、世界は夜に飲まれる。影は踊り続け、僕の心も踊り続ける。Bryan Ferryの歌が、どこか遠くで流れ続けているようだった。

Don’t stop the dance.

 
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