題名:今日のお題は、「安全地帯「恋の予感」がもつ日本的な情緒について Part2」
報告者:ダレナン
(No.2852の続き)
3. 玉置浩二の歌唱に宿る「語り」と情念
安全地帯のボーカル・玉置浩二の歌唱もまた、この楽曲の日本的情緒を際立たせている。彼の歌声には、単なる「歌唱」ではなく、語りかけるような抑揚があり、感情の機微が巧みに表現されている。日本の伝統芸能において、歌と語りの境界が曖昧な表現が多いことを考えると、この「歌いすぎず、しかし情念を込める」スタイルは、非常に日本的な感性に根ざしているといえる。
特に、玉置浩二の声の揺らぎや息遣いが、楽曲の持つ「未完成の恋」「叶うかどうか分からない期待」というテーマと見事に調和している点は特筆すべきだ。彼の歌声は聴き手の内面に訴えかけるような力を持ち、それが「恋の予感」を単なるラブソング以上の存在へと昇華させている。
結論
安全地帯の「恋の予感」は、日本的な情緒を豊かに湛えた楽曲である。歌詞に表れる「余情」と「間」、旋律に宿る「哀愁」と「もののあはれ」、そして玉置浩二の歌唱が持つ「語り」の美学が三位一体となり、独特の世界観を形成している。このような感性は、日本の詩歌や伝統芸能に見られる美意識と深く結びついており、日本人の心の奥底に響く普遍的な魅力を持つのである。
でも、名曲の証通り、日本でのカバーも多いですねー。Wikipediaによれば、21ありました(1)。
この曲は1984年10月25日にKitty Recordsから7枚目のシングルとしてリリースされた(1)ので、すでに41年。随分とむかしの歌になるんですね。今日のお題は、「安全地帯「恋の予感」がもつ日本的な情緒について Part2」。
(1)https://ja.wikipedia.org/wiki/恋の予感
(画像)https://www.youtube.com/watch?v=krIpXCk4YNM