No.2774

題名:今日のお題は、「Obsessive Love」
報告者:ダレナン

(No.2773の続き)
 窓から差し込む光がブラインドを通して細かな影を落とし、まるで鋭利な刃のように君の肌を刻んでいた。その光と影の交錯が、君の輪郭を曖昧にしながらも、かえってその美しさを際立たせる。僕は息を飲み、その姿に魅入られた。
 君の肌に触れるたび、僕の指先は灼けるように熱くなる。その感触が、僕の理性を削ぎ落とし、ただ君だけを求める獣のようにしていく。君は微笑む。けれど、その微笑みが優しさからくるものなのか、それとも僕を狂わせるためのものなのか、僕にはもう分からない。
 僕は君が好きだ。いや、好きなどという生温い言葉では足りない。僕の心臓は君の存在に支配され、僕の意識は君の声に縛られる。君が触れれば震え、君が離れれば壊れそうになる。君は知っているのだろうか? 僕がどれほど君に刻まれているのか。
 やがて君が囁く。「私がそんなに好き?」
 僕は答えられない。ただ、喉が渇き、呼吸が浅くなる。君の笑顔が僅かに歪んだ気がした。
 「じゃあ、もっと深くしてあげる」
 その言葉とともに、君の指が僕の胸元をなぞる。冷たく、鋭い爪が僕の肌を撫で、僕の心をさらに深く刻みつける。僕はもう逃げられない。いや、逃げたいと思ったことすらないのかもしれない。
 君は美しく、残酷で、そしてどうしようもなく僕を愛している。
 そう、僕と同じくらいに。

 君の指が胸元から鎖骨へ、そして喉へと這い上がる。体温の差が、快楽と恐怖の境界を曖昧にする。僕の心臓は異常な速度で鼓動し、血が沸騰するように体中を駆け巡る。僕はもう君なしでは生きられない。
 「もっと……もっと、君でいっぱいにして」
 自分の声が震えているのが分かる。君は満足げに微笑み、僕の頬を撫でた。その指の冷たさが、僕の熱を吸い取るようだった。
 「いい子ね、じゃあ、もっと深く……」
 君の声が脳髄を溶かし、僕の中の理性をすべて刈り取っていく。
 もう、僕は君のものだ。完全に。

今日のお題は、「Obsessive Love」

 
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