No.2725

題名:今日のお題は、「光の中の約束」
報告者:ダレナン

(No.2724の続き)
朝の空気はまだ静かで、窓越しの光が柔らかく部屋を照らしていた。カーテンがそよぎ、わずかな風が入り込む。その光の中で、彼女はいつものように花瓶に花を生けていた。白いシャツの袖をそっとまくり上げ、指先が慎重に花の茎を整える。その仕草があまりにも美しく、僕はつい見とれてしまう。

窓際に置かれた花瓶には、彼女が選んだ季節の花々が揺れていた。朝日に透けるその花びらは、まるで彼女の優しさを映し出しているようだった。彼女が生ける花は、僕たちの暮らしの小さな証。何気ない日常の中に、僕たちだけの物語が刻まれている。

「僕たちはずっとしあわせだよね?」

不意にそう口にすると、彼女はふと手を止め、微笑みながらこくりとうなずいた。その仕草に言葉以上の温もりを感じる。僕はその瞳に映る未来を信じられる気がした。

まだ始まったばかりの二人の生活。それでも、こうして一緒に朝を迎えるたびに、僕たちの時間は確かに深まっていく。

風がそっと花びらを揺らした。僕たちの小さな誓いを祝福するように。

今日のお題は、「光の中の約束」

 
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