題名:今日のお題は、「毛糸の帽子の女の子」
報告者:ダレナン
(No.2720の続き)
彼女の名前は宮本 さくら。
どこにでもいる普通の女の子だった。
でも、ひとつだけ特別なことがあった。それは、冬になると必ずかぶる、ふわふわの毛糸の帽子。
水色のその帽子は、彼女のトレードマークだった。
さくらは小さなカフェでアルバイトをしながら、音楽と写真が大好きだった。
街中で見かける風景や、お気に入りの瞬間をSNSに投稿するのが日課。
「#毛糸の帽子」をつけて、冬の風物詩のように過ごす毎日を写真に収めていた。
ある日、さくらがシンプルに撮った一枚の写真が、突然注目を浴びる。
それは、ソファーでくつろぎながら、毛糸の帽子をかぶったままVサインして微笑んでいる姿。
「この子、誰?」
「何か心が落ち着く…」
「毛糸の帽子、似合いすぎ!」
その写真がSNSで広まり、みんなが「#毛糸の帽子ガール」として彼女を紹介し始めた。
フォロワーが増えていき、気づけば彼女は「毛糸の帽子の女の子」として知られるようになった。
ある日、さくらのアカウントに突然、ファッションブランドからDMが届く。
「あなたのスタイルにピッタリの服を提供したい。コラボしませんか?」
そのメッセージに驚きながらも、さくらは思わず返事を送る。
それから、次々とコラボレーションのオファーが舞い込んできた。
SNSのフォロワー数は急上昇し、ついには人気インフルエンサーとしての地位を築いた。
でも、さくらは決して変わらなかった。
いつも通り、毛糸の帽子をかぶり、写真を撮り、日々を楽しんでいた。
彼女の本当の魅力は、流行に左右されることなく、自分らしさを大切にしているところだった。
「毛糸の帽子をかぶると、なんだかほっとするんだ」
そんなさくらの自然体の魅力に、多くの人が惹かれていた。
彼女は今も、どこかでひっそりと毛糸の帽子をかぶり、写真を撮っている。
そして、その写真が誰かの心を温かくする瞬間を、さくら自身も楽しんでいた。
今日のお題は、「毛糸の帽子の女の子」