No.2715

題名:今日のお題は、「神様がくれた笑顔」
報告者:ダレナン

(No.2714の続き)
 もし神様に「世界で一番かわいい笑顔をする人はだーれ?」と問うてみれば、僕の中では間違いなく彼女だった。あの頃も、そして今でも、彼女の笑顔はまるで太陽のように僕の心を照らしてくれる。

 忘れもしない25年前、僕は彼女と初めてのデートをした。彼女に「どこに行きたい?」と尋ねると、彼女は少し恥ずかしそうに「海がいい」と答えた。その願いを叶えるため、僕たちは車に乗り込み、二時間かけて美しい砂浜へ向かった。道中、僕は彼女が喜ぶ顔を見ながら、期待と緊張で胸がいっぱいだった。

 目的地に着くと、目の前には広がる青い海と、きらめく波があった。けれど、僕の目には海よりも彼女の笑顔の方がまぶしく映った。潮風がふわりと彼女のウェーブ髪を揺らし、太陽の光がその頬をやさしく照らしていた。波は静かでも僕の心は荒波だった(笑)。

 僕たちは砂浜を歩き、足元に打ち寄せる波の冷たさに笑い合った。時折、彼女が僕を見上げて微笑むたびに、その笑顔がまるで世界のすべてを包み込むような気がして、胸が締めつけられた。「こんなに素敵な時間がずっと続けばいいのに」——そう思ったのを今でも鮮明に覚えている。

 そして、僕は勇気を出して、ずっと心に秘めていた言葉を口にした。

 「君の笑顔が、一番大好きだ。」

 彼女は驚いたように目を丸くした後、ふわりと微笑んだ。その瞬間、僕の世界は完全に彼女のものになった。まるで、神様が祝福してくれたかのように、美しい風がそっと僕たちを包み込んでいた。

 25年が過ぎた今でも、あの海と、あの笑顔は心の中に色あせることなく残っている。そして、もしまた神様に問う機会があれば、僕は迷わずこう答えるだろう。

 「世界で一番かわいい笑顔をする人? それは、僕のたった一人の大切な人だ。」

今日のお題は、「神様がくれた笑顔」

 
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