題名:今日のお題は、「土曜日の午後、君の輝き」
報告者:ダレナン
(No.2677の続き)
土曜日の午後、窓から差し込むやわらかな木漏れ日が、僕のアパートの小さなリビングを優しく照らしていた。外は穏やかな春の陽気。風がそよぎ、カーテンがふわりと揺れるたび、どこか遠くで鳥のさえずりが聞こえてくる。
彼女は、いつものように僕のアパートへやってきた。玄関を開けると、少し眠そうな顔をして「おじゃましまーす」と小さくつぶやきながら、まっすぐソファーへ向かう。手にはお気に入りのコンビニスイーツと、ちょっと奮発したカフェラテ。
「疲れた?」と僕が聞くと、「うん、ちょっとね」と、いたずらっぽく微笑んだ。
ソファーに身を沈め、VODで韓流ドラマを再生しはじめる。画面の中では、主人公が涙ぐみながら恋人に想いを伝えていた。それをぼんやり眺めている彼女の横顔が、木漏れ日に照らされてふんわりと輝いて見えた。
「ねえ、これってどうなると思う?」
突然、彼女が画面から視線を外し、僕に問いかける。
「うーん……最後はきっと、ハッピーエンドじゃない?」
適当に答えながらも、僕は彼女の顔を見つめた。頬杖をつき、少しうとうとしながらもドラマを見続ける姿。その穏やかな雰囲気に、なぜか僕は「今、この瞬間を残したい」と思った。スマホを手に取り、彼女の姿をそっと撮る。
カシャ。
「……え?」
驚いたようにこちらを見る彼女。
「なんか、いい感じだったから。」
「もう、勝手に撮らないでよー」
そう言いながらも、彼女はくすっと笑った。そんな彼女の笑顔が、いつも僕を幸せにしてくれる。
――そして、時は流れた。
あのとき何気なく撮った写真は、今では僕の大切な宝物になっている。なぜなら、写真の中の彼女は、今僕の隣にいる妻だから。
あの日の午後のように、今も変わらず僕の隣で微笑んでいる。木漏れ日が差し込むリビングで、彼女と並んで座りながら、僕はふと思う。
「やっぱり、あのドラマの結末はハッピーエンドだったよね。」
すると、彼女がクスッと笑いながら言った。
「そうだね、私たちもね。」
今日のお題は、「土曜日の午後、君の輝き」