No.2237

題名:今日のお題は、「読者の皆々さまへの恋の餌」
報告者:ダレナン

(No.2236の続き)
 ポエマーになると、濃いものを食べたくなる。そこで、僕は口をパクパク開けて、池の上に躍り出た。池の上では仁王立ちしている人が見えた。
 嫁だった。
 嫁の成美は仁王立ちして手に餌を持ち、池に放り投げた。その時、僕の周りに多くのライバルが集まり、僕は大きく口を開けるも、黄金色したあいつにすべて採られてしまった。
 その様子を見て、嫁は仁王立ちからかがみこみ、奥の赤と黒のぶちのある小さな個体に向かって餌を放り投げた。
 それが僕だった。
 僕の赤ぶちはお金の色、僕の黒ぶちは腹の色だった。でも、黄金のあいつは金があるに違いない。池の中という会社であいつは地位も名誉も独り占めしている。さらには池の中ではあいつは大いにいばりくさり、俺はこの池の中で最も濃いと言わんばかりに、自慢をして、皆に嫌われていた。
 そして彼は時に、故意に僕を責め立てる。
 「おめーは、あかとくろのぶちで、ぶちぶちしてんなー」
ってな感じで。

 そこで目が覚めた。背中には冷や汗をかいていた。
 その時、ちょうど妻の成美が新幹線から荷物を抱えて降りてきたのが見えた。僕はすかさず妻のもとに出向き、そしてその荷物を運ぶ手伝いをした。
「はい、お土産」
 遠方への出張ではなかったが、彼女はいつものように笑顔でお土産をくれた。
 それはまさしく僕への恋の餌だった。

 ってな感じでふと恋愛ものの映画をチョイスすることにした。神さまのご加護でチョイスされたのは、たぶんかつて見たことのある映画「親愛なるきみへ」だった。調べると過去にそれをもとにとある記事を執筆していた。その記事をみると月の大きさのくだりだけ、だった。

 ねんてつまらねーもん書いてたんだろ…。

 自分で恥ずかしくなった。
 これから執筆しなければいけないのは、読者の皆々さまへの恋の餌。そう心に決めた。よーし、今日のお題は、「読者の皆々さまへの恋の餌」にすんべ。

 読者の皆々さま、「またすぐに会おうね」 えへっ。

 
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