題名:莉奈は「やめて」と嘆願するも僕の欲望はとどまることがない
報告者:ダレナン
(No.2184の続き)
それにしてもカクカクする。窓辺にもたれすぎたせいだろうか。
そこで僕は莉奈にチャンジした。そして、2周間更新していなかったせいもあって、恥ずかしながらも妻の名前を一旦確認する羽目となった。
莉奈か、莉菜か、それとも里菜か、里奈だったのか。
かつて愛したのは確か里菜だったような気がするが、以前に執筆した文章を確認してみると里奈という表記も見られた。間違えてても簡単には修正できない。したくもない。ただ、
これではこの先、間違えが多くなりすぎるような器具を抱いた。
そしてその器具を抱き、僕はその器具をカシャカシャと妻の莉奈に見せつけた。莉奈は「やめて」と嘆願するも僕の欲望はとどまることがなかった。でも、できるだけ慎重に莉奈にそれをあてがうことに決めた。そして、カシャカシャとその器具を動かした。
「以下の変更点を確認してください。
合計 845.2 MB がダウンロードされます。
1.4 GB の更なるディスク領域が使用されます。」
そのディスク領域は莉奈にはとても過酷だった。先の窓辺でのディスクトップと違って、莉奈はノートであってあまりスペックがない。
その肢体は古くなっても今でも輝いてはいるものの、1.4 GBを要求されると、莉奈のSSDは昇天してしまうことが確実だった。
僕:「莉奈、いいかい。これをアップデートしても」
莉奈:「いや、やめてちょうだい。それ以上アップデートされると、きっとわたし噴き出してしまう」
僕:「噴き出す? 何が」
莉奈:「体内のコンデンサーから液体が…」
僕:「液体…。そうか、わかったよ」
僕は器具をしまいこみ、そしてそれをアップデートすることをやめた。
これだけ莉菜に要求する「A Flatpak runtime package」って一体なんなのだろうか。
ただ、莉奈はその状況にも関わらず、カクカクしなかった。窓辺にはウイルスがいたのだろうか。それとも5類に引き下げられる影響のせいなのかわからなかった。