題名:ふ~ん。そうなんだ
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.2145の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
舞衣子:「そういえば、ちなみにもこんな時期あったね…。来年はもう小学生なんだなぁ、早いよね」
平十郎:「ベイベーのことかい?」
舞衣子:「そうだよ。赤ちゃんのこと。でも、大自然の中で子供産むって大変だよね。あっ、この子、自然におっぱい吸った…」
舞衣子は嬉しそうに「青い珊瑚礁 Ce」を見ていた。まるで予約した旅行会社の企画に参加しているかのように目を輝かせてウキウキしている。
舞衣子:「私もこんな素敵なストーリーのサバイバルなら…楽しそうだよね、ね、リチャード」
平十郎:「り、りちゃーど…、う、うん…」
彼女は映画の主人公になりきっているかのように、僕のことをリチャードと呼んだ。そこで僕も彼女をエメラインと呼び返した。彼女のうれしそうな顔が見えた。
舞衣子:「サバイバル旅行、楽しみだよね。ちなみが居ないのは寂しいけど。思いっきり2泊3日、リチャードとの楽園生活を楽しめそう…」
妻の舞衣子は本当に感化されやすいたちだ。僕と付き合う前はそれほど映画に関して詳しくはなかったのに、僕と付き合いだしてデートでしょっちゅう映画に見に行くことになると、彼女はプチ映画通になった。
今では僕よりもむしろマニアックな映画を知っている。俳優だけでなく、監督、脚本、美術、音楽、撮影のあらゆることを把握しつつある。
おまけに、映画のブログなんぞもやり始めて日々更新しているようだ。妻は、僕にはそのブログの名前をはっきりと伝えてはくれない。恥ずかしいらしい。でも、その更新された内容のラインアップを見れば、僕に語る内容とそのブログ内容は酷似し、もしかしてこれは妻のブログではないだろうかと確信を持って疑うこともできる。近いうちに「青い珊瑚礁 Ce」がたぶんアップされる。
平十郎:「最近どう? ネットの方は…。確かブログだったかな?」
舞衣子:「うん、だんだんとね、アクセス数が伸びてる。ちょっと楽しくなってきた。実はブログからの収入も増えつつあるんだー。これでちなみの靴ぐらい買ってあげられそうなくらいに…」
平十郎:「ふ~ん。そうなんだ」