題名:ビールの黄金水
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.2135の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
夏目はある意味、すでにプロフェッショナルだった。沙耶の事を一女優として見ている冷静な視点が常にあった。でも、僕は段々と沙耶に撮影の枠を超え、魅かれている。もうすでにどうしようもなく、彼女に恋していた。彼女の仕草、会話、そしてその存在が僕を釘付けにする。ビデオカメラのファインダーやディスプレイごしに見る沙耶に、僕自身の耳に鳴り響くぐらいに心臓の音が毎回高ぶっている。
3人はあばら家で弁当を食べ終え、ビールで少しほろ酔い気分だった。夏目は、この時ばかりに、そろそろシーン103を撮ろうか、と提案した。僕と沙耶は静かに頷いた。
夏目:「シーン103、和希がビール缶を開けこぼし、莉紗が舐めるシーン。アクション !」
僕はビールを手に取り、プルタブに手をかける。そのビールは夏目によってあらかじめシャカシャカと振られているもの。
僕は、プルタブを起こす。考えていた以上に、勢いよく泡が出てビールの黄金色の水が手の中にかかる。
莉紗:「きゃ…」
その一部が偶然的必然的に莉紗の顔に掛かる。
和希:「莉紗、ごめん。びっくりした…」
莉紗:「ううん、大丈夫。それよりも和希の手の中にだいぶこぼれたね」
和希は「うん」と答える。その後、和希自らそれを飲もうとするが、莉紗がストップする。
莉紗:「私にそれちょうだい…」
莉紗は和希の手の中に口を近づけ、和希の手の中のビールの黄金水をぺちゃぺちゃ、ぺちゃぺちゃと恍惚の表情でそれを舐め始める。和希は莉紗のその行動に一瞬びっくりするも、彼女をじっと見つめ、愛おしそうにその行動を眺める。和希の下半身に生理的反応が現れる。
莉紗:「とっても、おいしい…」
莉紗の口元は、あばら家の中の炎に照らされたビールの黄金水で艶めかしくきらきらと輝く。敦司はその様子を傍らでじっと見つめる。