No.2104

題名:これ以上の表現は無理だろうな
報告者:ダレナン

本報告書は、基本的にNo.2103の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 すべての業務を終え、私は病院の職員用地下駐車場にあるAudiに向かい、キーのボタンを押し、ドアを開けた。シートに沈み込み、そしてV10のエンジンをかけた。ダッシュボードの時計がすでに23時を示していた。いつの間にか過ぎていた時間を思いつつ、ハンドルを握りしめ、帰宅した。

 帰宅すると、妻妙子はすでに寝ていた。
 妻の寝顔をじっくり見ると、そこにともに過ごした23年が刻まれていた。あの岩倉武雄の秘書として初めて出会った頃の面影はあっても、時は着実に彼女にしわをもたらしていた。私も同じだろうか。いや彼女以上かもしれない。
 冷蔵庫の中の食料を探し、チーズとか軽食を主体に、ビールを飲みつつ、テレビをつけた。しかし、テレビも昔ほど面白くもなく、ほとんどがクイズか食べ物の話題ばかりだった。私はアクセラにテレビを消すように伝え、アクセラは有能な秘書の如くぷつんと音を出してテレビを沈黙させた。
 その後、しばらく瞑想し、過去に浸るようにスマホのYoutubeで音楽を流した。
 流れるのは私の青春、アメリカ時代の曲ばかりだった。
 Joeに、Mark Nelson、Babyface、Brian McKnight、Carl Thomas、etc。Googleは私の好みのすべてを把握していた。それはジェニファーとの思い出の時代でもあった。

 軽食後に布団にもぐり目を閉じると、私の瞼にジェニファーが現れた。それは夢か現実か分からないぐらいに、その境界線をぼやけさせていた。

 ジェニファーは僕の□□を強く握り、そしてI Love Youと僕自身に口づけした。僕も彼女のすべてを口づけした。その時のあの雰囲気は、インター・アドベンチャーが軌道に乗り始めた何もかもが成功に光り輝くあの時代の事だった。
 何もかもがうまくゆく。ジェニファーが居れば、僕はすべてがうまくゆく。そう感じていたあの時代だった。
 Jazz Clubモアビーでの後、僕の部屋に行きJoeのThe Love Sceneが流れる中、僕とジェニファーは始めて結ばれた。僕は彼女の手を取り、そして彼女は僕の手を取り、見つめ合い、口づけして、お互いのすべてをまさぐった。僕の□□はこれまでないくらいに大きく充血していた。ジェニファーも僕を受け入れる準備がしどしどと滴り落ちていた。
 でも、これ以上の表現は無理だろうな…、Google様がこれってアダルトじゃんとお怒りになる違いない。でも、当時のその時はそんなことを考えもせずに、僕自身は彼女の中に入らざるを得なかった。ジェニファーが欲しかった、とてつもなく。
 新型コロナウイルスが蔓延すると、こんな表現も密になる。僕たちのこれからの時代は、もう何もかもが終わったんだ。ジェニファーとも終わったんだ、そう僕は思い直した。でも、これがないと次が続かないじゃないか。オンラインで次の世代が産まれるはずがない。そう思ったも…、僕は

 
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