題名:今回まで
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的に No.2040の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
空港内はとてもきれいだった。すべての建物が真新しく、そしてピカピカと輝いていた。空港案内でイスタンブール空港はつい最近開港されたことを知った。そのことすら全く知らず僕は、イスタンブール経由のポーランド行きを選び、搭乗したことになる。そして、ここからのまさかの足止めだった。そう、まさか乗り換えの時間で、12時間近く僕はここで待つことになる。
なんてこった。だからフライトの全時間に27時間近くもかかるのか。初めてその時間数を理解できた。
仕方なく空港のロビーでwifiに接続して、改めて羽田からポーランドまでの搭乗を確認した。どうやら最短のフライトならば、ヒースロー空港を経由しての約16時間だった。
(でも、まっ、いいか)
(このフライトには導かれているような気分が、もともとからあったんだ)
僕はその自分の気分に胸をなでおろし、機内でエヴァンジェリン・プラウドフッドさんに出逢うことで、この選択は偶然じゃない、そうに違いない、僕のよこしまな第六感がそうつぶやいていた。
空港を歩きながら、適当な箇所に腰を降ろし、空港のスピ、スピリチュアル…、いやスピーカーから様々な音が発せられていたのを聞いた。僕には、その様々な音が…これは偶然ではありません、意味ある滞在なのです…と都合よくそう聞こえずにはいられなかった。まさにえせスピリチュアル体験を、スピスピ、スピーカーからその体験がもたらされている。僕はそんな風にそれらの言霊一つずつを解釈した。
その時だった。鳴るはずのないスマホがブーブーと振動している。画面通知を確認すると、SMSを通しての通信だった。スワイプして、そのメッセージを確認すると、番号からプラウドフッドさんからだった。
{空港着いたけど、きっと暇じゃない。乗り換えで…}、そんな内容だった。僕は、{確かに}と返信した。すると、{じゃぁ、乗り換えの間、わたしと時間をつぶさない…}とリターンがあった。どうやら彼女も勤務終了後でかつ僕の乗り換え実情をやっぱりよく知っているみたいだった。僕はうきうきしながら即返信し、空港内の今いる場所を告げ、彼女が来るのを待つことにした。
10数分後ぐらいしてプラウドフットさんが髪をかき上げつつ僕の傍に現れた。その雰囲気の画像はまたしてもAngelina Danilovaさんのものだった(図)。Angelina Danilovaさん曰く、「ちょっとわたしの画像、引用しすぎじゃない。このままだと読者みなさまにストーリーよりもわたしの画像に魅せられちゃうよ。まっ、あなたはわたしのファンだからそこは仕方ないけど…」。そう言われて僕は「分かっています。だけんど、どうしても僕はあなたに魅せられちゃうのです。今回まで、できればプラウドフットさんとしての引用(仮)は、今回までにしたいと存じます。でも、どうか、今回だけはお助けを…」とAngelina Danilovaさんに本音で嘆願した。「ふ~ん、じゃぁ、今回までね。きっとよ」と言われ、素直に僕は「はい」と即答した。
図 今回まで1)
1) https://www.instagram.com/angelinadanilova/?hl=ja (閲覧2021.5.21)