題名:よくある巷のご都合主義のにせスピリチュアル
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的に No.2038の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
フライトが長いとやはりそこにはただならぬ面識が生じる。それは隣の人だったりするわけだが、幸い、いや幸いではないにせよ、隣の人とは何もなくこのまま空港に向かうだけという状況は、否応なしに理解できた。隣の彼は、たぶん仕事の関係でのフライトに違いない。だから彼とは縁(Enishi)はない。Enishiで奏でられる確か奏者はJohn Zoneだったと思うが、彼のSaxがEnishiでそううな鳴いている。
でも、何だろうか。”アンジェリーナさん(仮)”とは、何かを感じていた。それは個人的なスマイルだけではない。何かが繋がっているように思えた。結局のところ、それが僕のただのよこしまな感覚だとしても、僕の感は、時に妙に冴えることがある。それは、生まれもっての才能なのだろう。その才能の程度は分からないにせよ、僕の中には特別な霊的能力があることがあった。それが今だった。
これを端的に解釈すれば、よくある巷のご都合主義のにせスピリチュアルだ。
羽田からすでに10時間近く経過し、イスタンブール空港まではあと7時間近くあった。その時間内、僕は、”アンジェリーナさん(仮)”とアイ(目)で個人的なシグナルを交換しつつあった。これを愛コンタクトというのかもしれない。彼女もまんざらではない様子がうかがわれた。その様子は、僕にフランクに話しかける彼女の様子からピンと理解できた。僕は、正直に彼女に話した。
僕の父はもうこの世にいない。でも、祖母が日本人で祖父がポーランドのユダヤ人であり、父はハーフであることを誇りに思っていること。そして、なによりも今、祖父の祖国であるポーランドに行くこと。そして、祖母と祖父の愛の奇跡を追うことを彼女に告げた。すると、彼女も、実はポーランドと縁(Enishi)があることを聞けた。何でも彼女の亡くなった祖母がかつてポーランドに住んでいたとのことであった。それも第二次世界大戦の前の話だった。
(なんだろ、このスピな感じは…)
その話を彼女から聞いた時に、ぞわっと背筋に触れるものがあった。
僕と彼女の間には何かある。きっと、何かある。
彼女のスマイルは、どんどんと営業ではない個人的なスマイルになってきたのが分かった。そこで、僕は思い切ってポーランドでSIM開通するはずのスマホの連絡先を彼女に伝えた。彼女は、
「オッケー。じゃぁ、連絡するね。近いうちに私もポーランドに行くから」
そう彼女は告げた。
その瞬間、僕のハートビート・プレーンはパカパカと音を立ててパイロットになったが如く今度は羽ばたいていた(図)。
図 ハートビートプレーン1)
1) https://www.amazon.co.jp/ハートビートプレーンパイロットギフトハートライン-シンプルスタイ-スポーツウェア-ユニセックス-XS-XXL/dp/B083W4WP2B (閲覧2021.5.18)