題名:ぐーすか寝ている
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的に No.1987の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
押し入れの肥やしとなったわたしのトランペットは、ある日、その押し入れの肥料と適度な湿度とともにいい環境が整い、カビが生え、そこからキノコがにょきにょきと出て、傘を開いた。その様子はまるでラッパのようだった。キノコがラッパとなって、トランペットと相乗効果を及ぼし、キノコは叫んだ。
「俺をここから出してくれ。押し入れから出してくれ」と。
でも、そう簡単に出すわけにはいかない。壮観なまでのキノコの様相は、まるで「俺がラッパを吹いとるんや、ラッパをな」、とばかりに威勢がよかった。ここで押し入れから出すとどうなると思う。肥料と湿度がなくなり、日光に当たれば、すぐにラッパはしぼむんや、そうわたしはキノコに伝えた。キノコは「じゃ、しゃーないな。ここで吹いたろかー」ってな具合に、キノコは胞子をばらまいていた。
わたしはその情景をすぐさま歌にして一曲奏でた。
「Milesに 誓ったあの曲 奉仕する にょきにょきいずる ラッパ鳴りけり」
57577でラッパーのように歌った。神Milesへの想いに、これでわたしも奉祀できた。天国のMilesもきっとこの曲を喜んでいるに違いない。わたしにはあの時、そう思えた…。そういえば過去にそんなことあったな..。
その時、ぶーっとスマホに着信が届いた。Milesからの伝言に違いない。メールを見ると、こう書いてあった。「Subject:アカウントがロックされたので、ご注意下さい…. IPアドレス:42.146.22.193…デバイス: Linux; Android 7…場所:○○県 ○○市」…。
まったくもって違うで。これは明らかにフィシングや。そうして、Blue Moonでほろ酔いとなっていたわたしは、そのメールに意気消沈して、再びふぃっーと寝具へと倒れ込んだ。ごろりとスマホが床に落ちて、そのまま寝具の中で二度目に眠りについたのだった。
「ぐらっと、ゆれたにゃん。じしんかとおもったにゃん。どうも、としとると、ねつきがわるくなるんだにゃん」
「そうみたいだね」
僕はスマホ内部からぐーすか寝ているわたしを見つめた。見ると、彼はよだれを垂らして笑っていた。いい夢を見ているようだった。でも、よだれはかなりの流出量で、危うくスマホにもこぼれそうになった。唐揚げなんとかとか言っていたから、おいしそう、なもの(図)でも夢見てるんだろうか?
図 おいしそう1)
1) https://www.pinterest.jp/pin/737745982708151915/ (閲覧2021.3.8)