No.1966

題名:どちらがタマゴで、どちらがヒヨコだろうか?
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的に No.1965の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 本日は肉で攻めるつもりだったが、偶然にも上物の天然タイを仕入れることができた。でもいやいや、これってもしかして天然ではない。値段からすると…。
 何いうてんねんなー。
 そうやな、天然なわきゃないな、普通。これ、養殖やな、これって。でも、ええ感じに大志とるで。タイや境に大志とるで。
 少年よ、大志を抱け。オスカルよ、大志を抱け。
 そうして、僕の子であるオスカルは、やがて信長の野望の如く、大志を抱くのだろう。
 砂漠の中。灼熱の砂漠のDUNEで、サンドうぉームに見つからないように、魚、魚、うぉーなサバイバルやでー、いや、うぉーなサバイタルやったでー。
 Youtubeでタイの砂漠方法を学び、そうして僕はDUNEする。した。完成した。
 タイの生き作り。
 いや生きとらへんがな。でも、活きはエ・エンヤ。きっとその砂漠はベストなんや。きっとThe Best of ENYA | Non-Stop Playlistなわけなんや。
 心の中のオアシスは、ENYAとともに満たされ、今、まさに砂漠を堪能した僕が居た。その時、若干長い眠りから目を覚ましたシズコが居た。
 「あれっ、わたし、だいぶ寝てたみたいね…。えっ、もう、ご飯なの」
 「そうだよ。もう19時だよ…」
 「2時間近く眠ってたんだ…。わっ、それって、今日はタイの活け造りなの。ダリオくん、ずっごいね。そのタイ、結構、高かったでしょ」
 「てんねんでないけど、愛(め)でタイからね」
 そうして、シズコはうふっと満面の笑みを浮かべていた。お腹のオスカルも喜んでいる様子が僕には透視できた。
 ええんや、これでええんや、として、その後に、食パンをほおばりながら、食事時にThe Best of Chopinを聴いていると、Nocturnes, Op. 27: No. 2 in D-Flat Major, Lento sostenutoが流れた。僕が最も得意とするピアノ曲だった。Maurizio Polliniのように、少しテンポを速めても、僕の指は間違いなくついてくる。
 いや正直にいうと、弾けへんで。でも、引けへんで、ここで食い下がる、食い下がっちゃうでー。
 そう思いながら僕はようやくストーリーの終焉に近づいたことを感じた。ちょうど100だ。待ちに待っていた100回目だ。今回は、なんて長く感じたんだろうか…。そこで、最後にこのストーリーの題を考えた。愛しい妻シズコに捧げて…。

どちらがタマゴで、どちらがヒヨコだろうか?

(完)

 
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