No.1841

題名:成長がストップ
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1840の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 「いつもお世話になっております」…。

 無視したいのに無視できないツキオとキーコの2人。以前と同じ問答のやり取りから、僕は何かを見落としていたのだろうか、という疑念が沸いた。それとも、そのやり取りをはた目に、彼らを無視すればよかったのだろうか。何かが、何かが、見えていない。見えているのに、見えていない。僕は…。
 何だかムカついてきた。勝手にすればいい。ツキオもキーコも。知るか、2人にどんなことがあったにせよ、僕にはまったく関係ない。
 {恥の上塗り で感傷的になったことも何だか腹が立ってきた。

 「いつもお世話になっております」、だと。
 「いつもお世話になっております」、だと。

 キーコさんがそこに、目の前に居るじゃないか。僕は{恥の上塗り なんて動画でツキオに騙されていたのか。そこに居るじゃないか。キーコさんが…。
 ツキオに対して、半分人間ハルバー・メンシュといっていたツキオに対して、中途半端でも気持ちを共有していた自分に対しても、ますます腹が立って仕方がなかった。
 (Moon Townのこぶちゃんブランドにはいつもお世話になっております)
 成長がストップしてしまった僕には、もはやCreateはないにも関わらず、キーコさんは、僕に向かってそう言った。

 こぶちゃんブランド。

 僕には、もはや想像も創造のかけらも何もないのに…。

 こぶちゃんブランド…。

 Creatorの象徴。

 こぶちゃんブランド…。

 Moon Townのこぶちゃんブランド?

 Moon Townの、Moon Townの、こぶちゃんブランド…?

 
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