題名:いつか見た夢
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.1768の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
こぶちゃんをそっと月の表面に埋めた。そうしてそこに旗を立て、こぶちゃんの冥福を祈った。埋める際にもぴっくっと動いた気がしたが、きっとそれは気のせいに違いない。
最後にこぶちゃんに呼びかけた。
僕:「こぶちゃんがいたおかげで、ネタがあって文句をたれてなんらかんかとCreateらしくできていた。でも、こぶちゃんがいないこの先は、本当にどうしようか迷っている。でも、いつまでもこぶちゃんに頼るわけにはいかない。それも分かっている。でも、楽なんだ。ラクダなんだ。ネタがあって、それに文句をたれるのは…」
僕:「そんなのはやっぱりCreateじゃないよね。いっつも分かっていたんだ。僕も。随分と前から。こぶちゃんを、いっつも頼りにしていたことを。でも、この先、どうすれば本当にCreateできるのか…。こぶちゃんなしに、僕の頭の中は、からっぽなんだ。想像と創造のかけらもないんだ」
僕:「こぶちゃん、もう一度、もう一度だけでいい。僕のところに還ってきてほしい」
僕は、ぽろりぽろりと涙をこぼした。そのたびに、こぶちゃんの遺骸を見つめた。ふとぴっくっと動いた気がしたものの、それは、僕の期待に他ならない。それを知っている。知っているんだ。
この本いいですよ。この映画いいですよ。この曲いいですよ。この品物いいですよ。このお店いいですよ。このご飯いいですよ。このプログラムいいですよ。このプランいいですよ。こんなことがありましたよ。などなど。ほとんどがそれに要約される。すなわち、すべてがレビュー。ビューではなく、レ・ビューなのだ。
なんてこった。こんな、これが、こぶちゃんからの栄光。栄光で受けただけの影響なのだ。だから、そこには僕がCreateしたものは、何一つなかった。こぶちゃんが与えてくれた光。その光に、僕は、栄えありとばかりに、浮かれていたことに気づかされた。
こぶちゃんがぴっくっと動いた気がして、その何気ない振動に、Rêve (Remastered)。Rêve、夢。エヴァンゲロス・オディセアス・パパサナスィウ。
いつか見た夢。
あの夢だった。