題名:シンクロナイズドから、アーティスティックへ
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.1622の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
…、カツオくん、晴美のこと、すき? 実は、すでに、だいすきだったりして…♡」(No.1622)
その言葉を聞いた時、どきっとした。車の運転中にも関わらず、晴美さんの方を見つめてしまった。ちょうど直線区間だったからいいようなものを、そうでなかったらハンドルを誤っていたかもしれない。それが、その言葉が、まさしく晴美さんの香りに翻弄された日の晩の夢の展開と同じだった…、からだ。続けて、晴美さんは少し小声で、「カツオくん、知ってるよ…」とつぶやいた…。
晴美:「カツオくんはきっと、琉花といると、しあわせなんだよね。知ってるよ…、わたし…。琉花からよく聞くもん。「カツオくんといるとしあわせ」ってね。それ聞くと、いいな~って、いつも思っちゃう」
その時、ふわっと晴美さんの香りがした。まるで、晴美さんの感情が香りとして出てくるかのごとく、晴美さんが楽しい時や悲しい時に、どうやら僕はその香りを感じているらしい。もはや、ただの香りではなく、晴美さんの香りと僕の嗅覚とが連動している。そんな感じがした。
そう思いつつ、ふと到着まで随分と時間が経っていることに気づいた。(ナビがおかしいのか? 作者が尺をのばしているのか?)。そこで、信号待ちの間、ナビをチェックしてみた。すると、ナビはどうやら高速道路でない道なりを示していたようだった。
「晴美さん。ごめん、どうやら高速を使えば1時間30分のところを(No.1614)、使わないと2時間30分ぐらいかかる道だった。今からでも高速に乗る? チューンナップしているとはいえ、軽トラなのであまり勧められないけど。バイクよりもやっぱり走行の要領がつかめないや。ごめんね。ナビも使い方もよくわかんないで」
晴美:「別にいいよ。のんびりと行けばいいと思う。わたし、ナビを確認してみる?」
「うん、頼む」
そうして、晴美さんが手を伸ばした瞬間、お互いの手に触れた(図)。そして、偶然に見つめあった。
その時に見えた。晴美さんと抱き合っているイメージが。
頭の中でフラッシュバックしたみたいに。
図 手に触れた1)
鮮明に目に浮かぶ、その現象は、晴美さんにシンクロナイズドしたかのように思え、晴美さんの顔も急に真っ赤になった。お互い、シンクロナイズドから、アーティスティックへと、こころがスイミングした。
1) https://www.pinterest.jp/pin/322570392051201306/ (閲覧2020.2.13)