題名:あひるのぺっぽちゃん
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.1596の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
あひるのぺっぽちゃんが鳴いていた。「朝ですよ~朝ですよ~」と鳴いていた。時間を見るとすでに6時。昨日の夜、飲みすぎて帰り、妹のアサリに迷惑をかけた(No.1596)。すぐに、自分の部屋に入り、ベッドで横になっていると、そのまま寝たらしい。服は、昨日の夜のままであった。
やっぱり、やっぱりであったが、夢を見た。今も鮮明に覚えている。
(ねぇ、カツオくん。琉花とわたしどっちがいい…? わたしでしょ、そんなのもう分かってる…)
夢に出てきたのは、晴美さんだった(図)。晴美さんからもらったあの香りは、夢の中でも翻弄していた。
(わたしね。カツオくんのことだーぃすきなんだ。知ってた。知ってるよね。カツオくんにとっても、だーぃすきなのは、琉花でなくわたしだよね。わたし知ってるよ)
図 晴美さん1)
(いや、そうじゃない。僕にとって琉花は…)
(ごまかさなくっていいよ。わたし、ちゃんと知ってるんだから…。カツオくんもごまかさないで…)
夢がくすぶる中、仕事に出かけた。いつもよりも早い時間だった。伯父である漁業組合長は、いつもと同じく早く出勤していたが、僕を見るなり、
「おっ、カツオくん。めずらしいやんか。今日はえろーはえーな。なんかあったんかいな」
「昨日飲みすぎて、早く寝てしまったので…」
「さては…、あひるのぺっぽちゃんに起こされたんやろー(笑)」
1) https://magazine.sheltter.vc/lp/49_palecolor2/ (閲覧2020.1.31)