題名:涙があふれた
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.1551の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
タンちゃんが中国に帰った(No.1551)。それから、ザ・ニンニク焼餃子を作る担当は僕になり、おやっさんと二人で店をきりもりすることになった。最初は、タンちゃんがいなくなった当初は、セットメニュー、おやっさんによる猫ラーメンスペシャルと僕によるザ・ニンニク焼餃子のセットでの注文がほとんどであった。しかし、月日が経つにつれ、ラーメンのみの注文が多くなり、僕のザ・ニンニク焼餃子の売れ行きが急降下した。セットメニューだったはすの二本柱が、かつての一本柱に戻ったかのようだった。そのことに関して、おやっさんは何も言わなかった。でもSNS上では正直だった。「猫ラーメンのザ・ニンニク焼餃子。あのガエールって人が担当してから、かなり味が落ちた…」、。「猫ラーメンのラーメンはそのまま。でも、セットで頼まないほうがいい。ザ・ニンニク焼餃子、あの味、サイテーや」。そこで、SNSの投稿を含めて、おやっさんに正直に相談した。
おやっさん:「まっ、ガエールくんのザ・ニンニク焼餃子が別段、それほどひどいわけじゃない。ただ、タンちゃんの作ったやつが、絶品すぎたんやろな。だからな、ガエールくん、あんまり気落とさんでもええがな。この店に客が戻ってきたのも、ガエールくんのおかげでもあるしな。おっちゃんは今でも感謝しとるで」
おやっさんのその言葉に涙があふれた。もはや猫ラーメンでの修行一筋で人生を費やしてもいい。そう考えてもおかしくないまでに、こころ優しいおやっさんであった。その時、
おやっさん:「うっ..」
急に胸を押さえ、苦しそうなおやっさん。すぐに救急車(図)を呼んだ。
図 救急車1)
「おやっさん、大丈夫ですか…」
「ガエールくん、ありがとな、嫁がもし、もし嫁が…、猫ラーメンに戻ってきたらな…、ガエールくんの手によるおっちゃんの味を再現してほしい。これが、おっちゃんからの最後の願いや…」
「おやっさん…、おやっさーーーーーん…」
そうして、救急車の中でおやっさんは帰らぬ人となった。あまりにも急な展開で言葉にならなかった。
しばらくの間、猫ラーメンの営業を停止した。ただ、おやっさんのため。僕は意を決した。僕は、、猫ラーメンの店主として立ち上がったのだ。
1) http://kouiki.town.bihoro.hokkaido.jp/docs/2013111400025/files/54102.gif (閲覧2020.1.4)