題名:潜水艦の仕組み
報告者:トシ
潜水艦は、鉄でできている。それなのに、海の中で沈んだり浮かんだりできる。実に不思議である。
その潜水艦の歴史の始まりは、1620年になる。イギリスのコーネリウス・ドレベルというロンドンで働くオランダ人が、木造船にグリースで塗った皮を包み、潜水してロンドンのテムズ川を数マイルさかのぼったのが始まりとされる1)。すなわち、木製の潜水艦という訳である。ただし、今のような鉄ではないため、沈んだとしても深くは潜れなかったであろう。それから、150年を経て、現代の潜水艦につながるような原型は、1776年のデービッド・C・ブッシュネルというアメリカ人によって設計されたタートル号になる1)。タートル号を図に示す。現在の流線形の潜水艦ではないが、実に哀愁が漂う設計である。これを見ると分かるが、後ろに何やら箱がある。これが、バラストと呼ばれるものである。バラストとは、潜水艇や気球の浮き沈みや昇降を調節するために使用する水・砂・鉛などのおもりのことであり3)、ここに海水をポンプで取り込むことによって潜水艦の重量を重くし、潜行ができる。逆に潜水艦を浮上する時は、空気をバラストへ加え、海水を排水することによって潜水艦の重量を軽くし、浮上させる4)。これが、潜水艦が海の中で沈んだり浮かんだりできる仕組みとなる。さらに、タートル号には後ろと上にプロペラがついている。すなわち、これによって人力ではあるが、推進もできる。なお、下に付いている重しは、潜水艦の上下を安定させる働きがあるのであろう。これを見ると分かるが、タートル号はすでに基本的な潜水艦の機能を備えていることが分かる。
現在の潜水艦は、随分とおしゃれにはなった。しかしながら、哀愁ではタートル号
図 潜水艦 タートル号2)
が勝っているかもしれない。これに乗って、「タートル号 発進せよ」、とぜひ言ってみたいものである。
1) http://www1.cts.ne.jp/fleet7/Museum/Muse030.html (閲覧2016.1.13)
2) http://blogs.yahoo.co.jp/ssk74287/3466480.html (閲覧2016.1.13)
3) http://dictionary.goo.ne.jp/jn/179792/meaning/m0u/ (閲覧2016.1.13)
4) http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1410807494 (閲覧2016.1.13)