題名:ハトの「ちょーだい攻撃」から考える、ヒトの欲望性への言及:そのⅠ
報告者:エゲンスキー
ハトは平和の象徴でもあり、その逸話は文献1), 2)にもあるように、「ノアの洪水のとき、ノアが放ったハトがオリーブの若葉を持ちかえり、これによって洪水が終わった」ことを知った、そのことに起因する。また、それ以前から、ギリシア神話においてハトは、愛と美の女神アプロディーテの聖鳥とされていたなど2)、平和の象徴とされる逸話が多い。そのため、公園でハトを見かけると、不思議と平和な気持ちがもたらされる。しかしながら、近年では、ハトによる深刻な被害も無視できない。その被害は大きく分けて4つある。①糞害、②食害(都市・農村)、③騒音被害、④衛生被害である3)。そして、その被害の背景には、ヒトによるエサの豊富さがあげられている4)。
街中でよく見かけるハトは、ドバトというが、本来の野生のドバトは、自然界にある植物の種子や穀類を食べて生きていた4)。しかしながら、現代のドバトのほとんどは、人が与えたエサや道に落ちた食べ物くずによって、市街地に密接に棲息するようになった4)。そのため、その地域における人間のマナーの乱れが、結局はハトをおびき寄せている、ということも一理ある4)。ハトによる被害を防ぐためには、何よりもまず、ハトにエサを与えないことが大切であるとされるも4)、人慣れした街中のハトは、エサを求めて寄ってくることが多くなる。そうして、公園でむやみにハトにエサをあげたりした場合には、そこにハトも増え、その増えたハトからは「ちょーだい攻撃」という事象が加速する1)。その様子が画像として文献1)に一覧で掲載されているが、最終的には図のように「Attack of the Pigeons」へと至る。単なる餌「ちょーだい」レベルが、「エサくれよー」への「攻撃」レベルへと変わる瞬間である。ハトにとっては、その「エサくれよー」は、ただエサが”やたら”ほしいだけであるが、その行為を誘発したのは、ハトにエサをあげたヒトの所業でもある。こうなると、平和の象徴も、一転
図 Attack of the Pigeons5)
して変わる。結局は、ハトによる被害は、より深刻さを増す。
ただし、ハト側の事情に目線を移すと、驚くべきことに世界中の都市にいるハト4億羽のうち、毎年35%ものハトが亡くなっている6)。その原因は、餓死、凍死、猫やタカ類に食べられるなどがあるが、都会を生き抜くハトの生活も楽ではないことが推測されている6)。エサに群がるハトは、これを回避すべく、必死さ(”やたら”)によるもの6)、であろう。ここで紙面が尽きたので、そのⅡでもって、ヒトの欲望性について触れたい。
1) http://karapaia.com/archives/52144708.html (閲覧2019.3.2)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B3%A9 (閲覧2019.3.2)
3) https://www.hatotaisaku-a.com/hatohigai/ (閲覧2019.3.2)
4) https://www.hatotaisaku.jp/guide/1961/ (閲覧2019.3.2)
5) https://www.youtube.com/watch?v=gPAUoHhwmsU (閲覧2019.3.2)
6) https://rocketnews24.com/2017/04/24/892737/ (閲覧2019.3.2)