題名:「図書館でワルツを踊りながら量子力学について考えているクラゲ」の発見に向けて
報告者:トシ
カリフォルニア大学サンディエゴ校の認知科学者であるLera Boroditsky博士は、自身のTEDのカンファレンスにおいて重要な提案をした1)。それが、「図書館でワルツを踊りながら量子力学について考えているクラゲ」の存在である。TEDにおいては「言語はいかに我々の考えを形作るのか」というテーマで進められているも、プレゼンテーションの序盤において明言(名言)した「図書館でワルツを踊りながら量子力学について考えているクラゲ」に関しては、筆者としては注目せざるを得ない。なぜならば、意外とクラゲについて知らなかったからである。もしかすると、その疑問は、先のクラゲの発見にもつながるかもしれない可能性を大いに秘めている。そこで、本報告書は、そのようなクラゲの発見に向けて、思考錯誤することを試みたい。
まず、第一段階として、名言「図書館でワルツを踊りながら量子力学について考えているクラゲ」を分解したい。すると、①図書館にいるクラゲ、②ワルツを踊るクラゲ、③量子力学を知るクラゲ、と大まかに分けることが出来る。以後は、それぞれについて考えたい。
①図書館にいるクラゲ:クラゲは海洋生物である。そのため、通常は海に存在する。しかしながら、海洋生物を公開するような建物、水族館などでもクラゲを確認することができる。図書館にクラゲがいるとすれば、水族館、ないしは、海洋生物専門の水槽のある図書館においては実現している可能性が高い。世界中を見まわすと、日本では市立小樽図書館とおたる水族館がコラボしている例が認められた2)。海外ではアメリカのクパティーノ図書館の入り口には大きな水族館のような水槽があるとのことであった3)。それ以外は調べがつかなかったが、選択としてその水槽にクラゲを入れたならば、図書館にいるクラゲが成り立つ。よって、①は充たすことができた。
②ワルツを踊るクラゲ:ワルツは四分の三拍子の軽快・優美な舞踊曲、円舞曲、また、それに合わせて踊る社交ダンスとされる4)。そのことから、クラゲは音楽をどのように感知しているか、あるいは、クラゲは社交的(クラゲの生態で他の個体との交流があるのか)か、が、まず論点となろう。調べると、クラゲのような海産無脊椎動物は水中の音、または、水圧の変化を感じ取る感覚器官である耳を持っていないことが判明した5)。また、社交性に関して生態面から調べると、クラゲは基本的に雌雄異体であるも、幼生の基質上に定着してできるポリプというものは無性生殖によって増殖する。すなわち、社交的でなくとも、増殖できる6)。よって、②は充たすことができなかった。海中を漂ってもワルツを踊っている訳ではないようである。
③量子力学を知るクラゲ:筆者が量子力学のいろはを知りたい。そこで、量子力学の権威のあるクラーゲ博士の存在を調べたが、海にはそのような博士はいなかった(当たり前であるが)。よって、③も充たせなかった。
以上の考察から、「図書館でワルツを踊りながら量子力学について考えているクラゲ」の発見は、かなり困難を極めることが予想された。宇宙の海中に漂っているクラーゲ博士なら、その答えが分かるかもしれない。
1) https://www.ted.com/talks/lera_boroditsky_how_language_shapes_the_way_we_think/transcript?language=ja (閲覧2019.2.2)
2) https://www.otaru-journal.com/2016/12/1211-1.php (閲覧2019.2.2)
3) https://www.nec-nexs.com/supple/autonomy/column/takano/column011.html (閲覧2019.2.2)
4) https://www.google.com/search?ei=zzhVXJiiJsv6-Qbu_qD4Aw&q=%E3%83%AF%E3%83%AB%E3%83%84 (閲覧2019.2.2)
5) https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1012328210 (閲覧2019.2.2)
6) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B2 (閲覧2019.2.2)