No.1236

題名:グンマール・エスケ=ティシュロンディップによる司祭における3体の何か
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1235の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 なんたることであろうか。もはや猶予がない。それというのも、すでに、何かが迫っているからである。何かといえば、もうすでに読者の方々にはおなじみの、怪奇現象である。そう、今しがた、ひたひたと迫ってくる何かは、すでにあなたの背後にいるのだ。それも、3体も迫っている。むろん、筆者の背後にも、見えなくとも、その3体は潜んでいると、ここではあえて伝えたい。しかしながら、それを一定のいわばビジョンとして人の視界で追うのは、限りなく不可能なのだ。例えば、あなたが後ろを振り向けば、その後ろの3体は視界に入らないように巧妙に移動し、もし、あなたの背後にあなた以外の誰かがいるとすれば、その誰かの後ろに3体が潜むこととなる。ともに振り返り、そうして、互いに別の方向に振り返ったとしても、その3体は奇妙に方向を変え、いるはずなのに、すべての視界から隠れる。でも、いることには間違いない。それは、その3体による宿命なのである。例え、360°の視界を持ったとしても、その3体は、360°を超えた、365°の視界内に存在する。そうして、また、365°の空間でもって、あなたの行動を一部始終、把握するかの如く、じっと観察している。
 この世には、過去も含めて、数多くの神秘主義者がいる。かの有名な心理学者カール・グスタフ・ユングもその一人として数えられる。グンマール・エスケ=ティシュロンディップは、ユングと同じく心理学者として名高いが、その実は、365°の視界を有している唯一的神秘主義者としても、著名な方である。先に示した3体は、グンマール・エスケ=ティシュロンディップによってこの世で初めて暴露され、その存在が記述された。1916年の事である。ただし、その存在は、観察される側の何かを脅かすものではなく、あくまでも面白さを提供すべく、3体によるいたずら的な要素が多かったことが指摘されている。グンマール・エスケ=ティシュロンディップは、そのいたずらを司祭的であるとして明記し、あくまでも悪意のない行動であったことを記述している。ただし、その見る側、あるいは、司祭を受ける側であるわたくしたちの接し方の違いによって、それが単純な遊びとして成り立つか、あるいは、もはや一刻の猶予として身に迫る危機を与えられるのかは、わたくしたちの接し方に注意しなければならないことも忠告している。筆者は、これを真に受けた。そのため、3体からは司祭としての扱いではなく、ともすれば、猶予として、何かのカウントダウンが通達されている。それゆえに、もはや猶予がない、のである。ただし、これを回避する方法も、グンマール・エスケ=ティシュロンディップは記述している。彼によれば、うさぎのように耳をそばだて、その3体の声に忠実に従うべし、として、その回避方法が述べられている。そこで、これを試みた(図)。

図 うさぎのように耳をそばだてる1)

 「これで、どうかしら?」、「おっ、かなり、いいんじゃないの」。No.1235と同じく、実に怪しい報告書かもしれない。が、3体はあなたの背後に、今もいる。できるなら、それを見てね。

1) https://www.pinterest.jp/pin/737745982689301768/ (閲覧2019.5.25)

 
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