題名:お風呂の浮力問題を考えたことにより、頭がオーバー風呂ーに至る
報告者:ログ
つるつるいっぱいまでに満たされたお風呂を考えてみる。そこに身体を沈めると当たり前であるが、お風呂からお湯があふれ出す。そのあふれ出したお湯の量は、お湯内に浸かった物体の体積に比例する。言い換えると、物体の体積分だけのお風呂のお湯の量が、その物体によって湯船から押し出された結果でもある。これによって物体の形状が複雑であっても、その物体の体積を知ることが出来る。さらに、物体が身体でなく、例えば、一定の形ある固形物であった場合、その固形物をお風呂に入れると、湯面に浮く、湯内で留まる、湯底に沈む、のいずれかの状態となる。湯船もまた、その固形物の湯面下の体積に応じた量でかさましされる。完全に固形物が湯底に沈んだ場合、湯面下の体積はその固形物の全体積と一致する。
お風呂のお湯を40(℃)とする。その時の水の比重(単位体積当たり重量)は、992.210(kg/m3)(0.992210 (g/cm3))となる1)。固形物の重量が100(g)であったとして、それが完全に40(℃)のお風呂の中に沈んだ場合を想定すると、その固形物の体積V(cm3)は
V = 100(g)/0.992210(g/cm3) = 100.7851116(cm3)
となる。ただし、固形物の重量は、地球上の、がつき、正確には質量×重力加速度が重量となる。そのため、その固形物にかかる重量 W(N)は、100(g) = 0.1(kg)から
W = 0.1(kg)×g(ジー:重力加速度) = 0.1(kg)×9.80665(m/s2) = 0.980665(N)
となる。一方、お風呂の中に沈んだ固形物は、その体積に応じて浮力が発生する。浮力をF(N)とすると
F = ρVg
で表すことができる2)。ρ(ロー)は流体の密度であるが、ここでは先の水の比重と同じで992.210(kg/m3)となる。Vは固形物の体積で100.7851116(cm3)(0.0001007851116(m3))と先に同じである。そして、gも重力加速度で、先に同じである。このことから、お湯に沈んだ固形物の浮力は
F = 992.210(kg/m3)×0.0001007851116(m3)×9.80665(m/s2) = 0.980665(N)
となる。ここで、問題が発生する。それは、W = Fとなることである。すなわち、固形物にかかる重量と固形物の浮力が同じとなり、固形物は湯内でつり合いがとれ、沈まないことになる。先に40(℃)のお風呂の中に沈んだ場合を想定したが、これが間違っていることになる。さてはて、ここにきて、頭がオーバーフローする。頭の中の少ない知識量の湯船から、まさにお湯があふれ出す。これを頭のオーバー風呂―と名付ける。
1) https://www.ryutai.co.jp/shiryou/liquid/water-mitsudo-1.htm (閲覧2018.5.9)
2) http://wakariyasui.sakura.ne.jp/p/mech/pas/huryoku.html (閲覧2018.5.9)