No.411

題名:人間とコンピューターのスペック比較
報告者:ナンカイン

 人間は生物である。コンピューターは機械である。そのため、人間とコンピューターを比較しようにも比較できない。しかしながら、人工知能の技術がどんどんと進化している現在は、やがて人間の仕事を人工知能が奪いとることも、多くのニュース等で示唆されていることでもある。ゆえに、比較できないと悠長には構えてはいられない。その時期は、2045年の技術的特異点(テクノロジカル・シンギュラリティ)1)を待たずとも訪れる可能性が高い。少なくとも、報告書のNo.41にも示されているように、2025年ぐらいになれば、人工知能の特性を生かした仕事も増えるであろう。逆に言えば、この立場についている人間は、仕事が減ることとなる。2025年まで、あと8年である。
 完全に人工知能が人間の仕事を賄うようになるには、人間の身体に相当する部分、すなわち、ロボット的なハードの開発も待たなければいけない。しかしながら、人間の知能の一部を補完する、あるいは、一部をすり替えるような人類補完計画はスマートフォン(スマホ)という使徒によってすでに着々と進行している (報告書のNo.272も参照)。また、現代人は、特に若者を中心として、記憶能力が衰え始めているとの意見もあり、これを「デジタル認知症」2)と呼ぶようであるが、これは明らかにスマホによる人類補完計画でもあろう。ただし、スマホは、新世紀エヴァンゲリオンの使徒のごとく、別に人間を襲来しにくるわけではない。人間が自らスマホに襲来されているのである。まさに「スマホに依存し、生きていく」。
 そのスマホであるが、以前はシングルコアがほとんどであったが、やがて、デュアルコアとなり、今ではオクタコアが標準となりつつある。そのコアとはCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)のことであるが3)、表のようにデュアルは2、

表 コア数とCPU数3)

クアッドが4、ヘキサが6、オクタが8となり、それがそのままCPUの数となる。CPUにはコア数以外の重要な要素として周波数があり、この値が高いほど処理する能力も高いが、単純にコア数が多くても、いわゆる並列処理が可能となるわけである。人間でも、急いで仕事をすると処理能力があがり、同時並行で仕事をすると処理能力があがることと同じ仕組みである。しかしながら、人間は急いで仕事をすることも、同時並行で仕事をすることも、人によっては難しくなる。特に、のんびりした性格や、ひとつの仕事が終わってから、次の仕事に取り掛かるような性格の人であれば、人間的にCPUの周波数が低く、コア数が少ないと言われることにもなりかねない。さらに、HDD(ハードディスク)やSSD(ソリッドステートドライブ)などのコンピューターの記憶に相当する部品も随分と容量が増え、読み書きの速度が増している。いろいろな意味で、人間とコンピューターのスペックが逆転しつつある。

1) http://www.ikeda.asia/2014/02/2045.html (閲覧2017.2.22)
2) https://matome.naver.jp/odai/2138933596556578001 (閲覧2017.2.22)
3) http://enjoy.sso.biglobe.ne.jp/archives/octa_core/ (閲覧2017.2.22)

 
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