No.208

題名:PC界の絶滅危惧種
報告者:ログ

 現在のPC(パーソナルコンピューター)の世界は、非常に移り変わりが早い。さらに、これに追い打ちをかけるように、スマートフォン、ファブレット、タブレットなど便利な情報端末の登場により、PCそのものの価値がかつてに比べて著しく低下しつつある。
 Windows95が登場した後は、一時は、デスクトップ型PCが家庭に一台増えつつある状況であった。しかしながら、その後、どんどんとPCが小型化し、ノート型PCが台頭してからは、デスクトップ型PCは、仕事場、あるいは、PCの比較的使用度が高いユーザーのみのものとなり、今ではノート型PCは所有しているが、デスクトップ型PCは所有していない人も多いに違いない。
 PCの小型化に貢献したのは、中央処理装置(CPU)や集積回路(IC)などのチップが微細化し、かつ、省電力化したことに他ならない。そのPCの小型化の背景にはムーアの法則なるものがある。ムーアの法則とは、世界最大の半導体メーカーIntel社の創設者の一人であるGordon Moore博士が、1965年に経験則として提唱した「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」という法則である1)。その推移を図1に示す。図の線上にある吹き出しは、チップの名称であるが、歴史上に残るMC68000やPe

Moores_law_(1970-2011)

図1 ムーアの法則の推移2)

tiumなどの有名な名称も見られる。また、18~24ヶ月で倍増している傾向も見てとれる。一説には、半導体メーカーがムーアの法則を満たすべくチップの開発を進めたとの噂もある。しかしながら、近年では、平面上のこの法則にも限界が来ているとの話題もあり2)、今後の成り行きが楽しみでもある。
 このようなムーアの法則はよく知らなくとも、PCを利用する側としては、持ち運びのできる小型化は、大いに喜ばしい。ただし、その推移の早さは、PC自身にとっても絶滅危惧種となる恐れがあり、PCに感情はないであろうが、「僕みたいな存在も、わるくはないよ…」という絶滅に対するシグナルを時折発する。筆者の個人的な意見としては、図2のようなクラムシェル型のパームトップPCが非常に好みであったりする。現在、香港の携帯メーカーがクラウドファンディングにおいて、出資募集し

GPDWIN_05_s_s

図2 クラムシェル型のパームトップPC4)

ているが、絶滅してほしくない種に認定される可能性はあるのであろうか。

1) http://e-words.jp/w/ムーアの法則.html (閲覧2016.3.2)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/ムーアの法則 (閲覧2016.3.2)
3) http://www.tel.co.jp/museum/magazine/material/150327_report04_02/index.html (閲覧2016.3.2)
4) http://japanese.engadget.com/2016/03/02/5-5-300g-win-10-gpd-win-pc/#continued (閲覧2016.3.2)

 
pdfをダウンロードする


地底たる謎の研究室のサイトでも、テキスト版をご確認いただけます。ここをクリックすると記事の題名でサイト内を容易に検索できます。



...その他の研究報告書もどうぞ